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2014/03/23 14:00
スプリングS
昨年から上位強力と評されてきた牝馬に対して、少し遅れをとっていた牡馬勢も弥生賞で4連勝を達成したトゥザワールド、きさらぎ賞を無敗の3連勝で制したトーセンスターダム、東京スポーツ杯2歳S→共同通信杯連勝のイスラボニータなど、ここに来てようやく輪郭が整ってきた。
ただフラワーC優勝の牝馬バウンスシャッセが皐月賞への参戦を表明(距離適性を重視した選択)したように、まだ牝馬>牡馬の名残りが残る印象も受ける。このあたりは世代一番馬の可能性があるハープスターの影がちらいているのだろう。春は牝馬二冠への出走が発表されているが賞金の問題等も含め、例年以上に最後の最後まで予断を許さないかもしれない。
2歳王者アジアエクスプレス、良血ベルキャニオンなど粒揃いの一戦になったが牝馬にも色気を感じさせてしまうような混戦ムードだけに現段階では格下扱いの馬たちにもチャンスは平等だろう。出走するからには権利以上に必達の賞金加算。勝機まで目論んだ渾身の勝負仕上げで意欲の東上◎ダノンアンビシャスのVに賭けたい。
藤原英昭厩舎と言えばクラシックを賑わせたエイシンフラッシュやトーセンラー、ブロードストリートらでも不思議と正統派のトライアルとは縁が薄い。ダノンアンビシャスは11月の新馬を勝ち上がると2戦目の寒竹賞3着。この時点で重賞へ進むことも可能だったはずだがきさらぎ賞をパスして臨んだゆりかもめ賞で6着に敗退。
関西圏の自己条件でやり直し、ダービーへ照準を定める手もあったはずだが年明け3度目の遠征を選択。陣営の勝負気配の高さが窺い知れる。新馬戦(京都2000m)は前半5F66秒0の超スローから上がり3F11.7-11.3-11.3の加速ラップを差してみせた末脚は辛勝以上に迫力があった。
寒竹賞は一転して1000m60秒5と緩みない流れだったが中団の絶好位をキープ。勝負どころでの仕掛け遅れが響き0秒4差の3着止まりではあったが中山の走り自体に問題はなかったし、直線の伸びも上々。勝ちタイムの「2分00秒8」は京成杯「2分01秒1」を凌ぐ優秀さで勝ち馬バウンスシャッセが重賞を勝ったことで信憑性は増した。
前走のゆりかもめ賞は道中13秒台のラップが5回も記録された弛んだレースで終始外を回っていた不利の蓄積は大きかった。「雪による順延で調整が難しかった」とのコメントもあるように決して本調子ではなくダノンアンビシャスの能力にケチをつけることもない。中間は順調だし、直前も無理なく負荷をかけた好調教を消化。
母レンドフェリーチェは紫苑S勝ちの実績があるなど1600?1800mで5勝を挙げた馬。大舞台での活躍こそなかったが3/4同血の半兄リフトザウイングスは2歳時から大器と騒がれていた素質馬。イスラボニータと同じCozzeneの母系にRoberto系のBob Back×Topsiderのパワー配合は馬力も必要な中山の馬場にうってつけ。
先週の“アレ”から日が浅いだけにこの騎手は全く信用ならないが金曜・中山【1-2-2-3】土曜・阪神【1-1-0-3】日曜・中山午前終了時点【1-0-0-1】で横山パドック的には絶好調とは呼べないまでも常識にはかかっていると判断したい。
モーリスは新馬(京都1400m)を「1分20秒6」のレコードで快勝。コパノリチャード、エールブリーズと2頭のオープン馬を輩出した12年11月の京都1400mが「1分21秒3」だから馬場差を考慮しても図抜けたスピード能力と言って差し支えない。京王杯2歳S(6着)は出遅れたので参考外。先行馬が潰れた万両賞は好位から押し切って順当に2勝目。
シンザン記念は初距離、外枠で前に壁が作れず力んで走って伸びきれず5着。ミッキーアイル、ウインフルブルーム、タガノグランパと相手が揃っていただけに悲観する結果でもないが当面の課題は折り合い。今回は更に1ハロン延長だが内目の枠を引けたので折り合いもつきやすいし、この舞台なら思い切って逃げても勝負になるだけの素材。パワーのあるスクリーンヒーローの血込みで○。
ベルキャニオンはカミノタサハラやマウントシャスタの全弟でディープインパクト産駒にしては小回りを捌くのが上手な血統。現にホープフルS2着もあるし騎乗馬確保に必死の福永が権利圏内にはもってくる。
クラリティシチーの騎手起用には同情の念を禁じ得ないが見守ってきた経緯もあるので冷たくあしらう訳にもいかない。中山に絶大な適性を示しているキングカメハメハ×ダート色の強い母系。健闘を祈る。
アジアエクスプレスはコース中心の調教に切り替えたのは良いがそうでもしないと絞り切れない状態なのかもしれない(あくまで想像)1800mになるとダート血統では限界も。