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2014/03/29 14:00
日経賞
待ちに待ったフェノーメノの戦列復帰だ。春秋連覇が懸かった天皇賞に向けての調整中に左前繋靭帯炎を発症し、昨秋は無念の全休となっていた。体質の強さに自信のあったフェノーメノでも激しいレースの数々による消耗や疲労が蓄積していたのだろう。それだけに今回の休養がもたらす効果は計り知れない。
渾身の自力スパートが痺れた春の天皇賞制覇。惜しくも2着だったが一流の存在感を放った日本ダービー、天皇賞(秋)。青葉賞、セントライト記念、日経賞は隙のない王者としての身だしなみ。積み重ねた成績の厚みはオルフェーヴル引退後の主役をフェノーメノが務めることを示唆している。
まともであればウインバリアシオン以下、ラストインパクト、アドマイヤフライト級はお呼びではないが問題は宝塚記念以来の実戦に尽きる。重症には至らなかったとはいえ、患部をケアして調教を休んでいるのだからこのブランクを取り戻すのは簡単ではない。
本格的な調教を再開したのが2/17で様子を見ながら坂路とポリトラックでの併用を消化。故障以前のポリトラックは足慣らし程度だったのでやはり加減はされている。本数的には昨年と比べてほぼ変わりないが要である南Wコースでの調教が圧倒的に不足しているのは心配なところ。
今週がようやく南Wでの追い切りとなり【6F82.5-5F67.2-4F52.9-3F39.2-1F12.5】をマーク。馬場の外をゆったり回って加速してから動作はさすがだったが蹴りの力が弱いし、推進力もまだまだ。やはり良かった頃を知っているだけに注文は多い。
完調ではないからジョッキー、調教助手ともに控えめなコメントで「ステップ」であることを強調している。確かに今回万全に仕上げる必要はないのだ。最大の目標は勇姿が鮮やかに甦る新緑の淀。ここは軽く回ってその立ち位置を知らしめたい。盾に刻んだ優駿の蹄跡が汚れなき強さと誇りを証明してくれる。
ウインバリアシオンは長期休養明け2戦目の有馬記念で果敢に攻めて2着に激走。オルフェーヴルとの8馬身に抗いきれない失った時間の物悲しさを感じるがゴールドシップを封じているのだから再び既成勢力のトップクラスに返り咲こうとしている。二週続けて豪快な調教を消化しているようにエンジン全開。56キロも有利だしフェノーメノ最大の脅威になる。
中山2500m適性の観点からすれば有馬記念3連覇中も含め、過去5年[15-6-5-35]連対率34.4%、複勝率42.6%を計上しているステイゴールド産駒狙いが定石もオーシャンブルーは休み明けと外枠に弱い。マイネルジェイドもこのクラスで戦うには明らかに経験不足だ。
こうなれば視線の先はこの舞台の掟であるインベタに拘れる内枠。芝に転向して4戦2勝と勢いに乗るプロモントーリオが絶好の穴候補。中山重賞に強いゴールドヘイロー×フレンチデピュティというダート寄りかつ芝でも大丈夫の血統。実際にダートでの勝ち鞍もあるし、パワーを要求される今の中山は向く公算が大きい。
ラストインパクトは不良の菊花賞4着など母父ティンバーカントリーが色濃くディープらしくないステイヤー的な走りをする馬だが器用さがないので2番枠は仇になりそう。反対にアスカクリチャンは立ち回り自在の万能型。オールカマーで0秒1差の5着があるように中山も不安はない。有力所が馬場に苦しむようなら上位に台頭する。