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2014/04/06 11:00
産経大阪杯
週半ばまでは初夏を思わせるような陽気も週末は寒気の影響で冷え込んだ日本列島。ただ周囲を見渡せば満開の桜、空から降り注ぐ日差し、吹き抜ける風に確かな春の訪れ。三寒四温の言葉通り、季節は移ろいつつある。待ちわびた春を歓迎するように産経大阪杯は豪華絢爛。
日本ダービー馬キズナ、菊花賞馬エピファネイア、牝馬G1を3勝のメイショウマンボ。主役を担っていく4歳勢による心躍る対決になった。海外での雄姿も喜ばしいことではあるが国内での一流馬激突の魅力には敵わない。それぞれが今年の走り初め。それぞれが掲げる目標は様々でも胸に秘める思いはただ一つ「負けられない」だ。
約半年の充電期間を終え、一段と進化を遂げた◎キズナがライバルを撃破する。キズナの最大のセールスポイントは「驚異的な成長力」弥生賞で権利を逃した後の毎日杯、京都新聞杯、そして日本ダービーと一戦ごとに全てを吸収し、着実に実力をつけていく過程が目に見えて分かった。急速な能力の上昇は名馬の成長曲線。
秋はフランスに飛んで2戦。何もかも手探りだったニエル賞を優勝して臨んだ大一番を前に佐々木晶三調教師は「完成の域」と最高形態への進化を示唆した。完璧の仕上げだった凱旋門賞は結果こそ4着もその力を知らしめるのには十分だった。すぐに凱旋門賞リベンジ宣言となったが、調教師の完成という表現を勘ぐれば以降も戦力は現状維持のまま。ただ最高の舞台での経験が100%以上の能力解放を促したようだ。
有馬記念は体調が整わず回避したが、放牧で疲労を回復し、英気を養って栗東に帰厩。幅を増した馬体が弾むたびに「まだまだ成長している」という驚きにも似たコメントがこの中間では何回も発せられた。最終追い切りも6F80秒台を切ろうかという勢いで入りながらラストも肩ムチで11秒8と極上の瞬発力。条件不問の強さを発揮できた時こそ真の名馬にふさわしい。
エピファネイアも母シーザリオ、その父スペシャルウィークの血を引いた素晴らしい馬。気性的に難しく昨春は苦しんだが神戸新聞杯、菊花賞を連勝し、キズナが不在だった3歳世代の看板を一手に引き受けた。目標は香港だがダービー以来の再戦意識は敗者に一層の力を与える。このライバルとの一騎打ちが濃厚だろう。
メイショウマンボは初の牡馬一線級相手がカギ。調教も流石の動きではあったがローズS(4着)の内容を考えると叩き良化型だけに強調しづらい。そして冬場使われてきたカレンミロティック、ショウナンマイティも脇役に甘んじている気は毛頭ないだろう。
カレンミロティックは中山記念惨敗も金鯱賞「1分59秒6」や垂水S「1分44秒5」※レコードを見る限り、やはり馬場が堪えた様子で度外視の一戦。展開次第で一番怖い存在になりうるだけの実力馬。
ショウナンマイティは3年連続の出走。一昨年はV、昨年にしてもオルフェーヴルの2着だからまともなら“三強”の一角として数えられてもおかしくないが毎日王冠の無理使いが尾を引いている。良化が遅いし、全体的に迫力不足では3着争いまでとみる。