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2014/04/06 14:00
ダービー卿CT
過去9年(阪神開催の11年を除く)を振り返るとノーザンテーストとMr. Prospector系の血を持つ馬の台頭が特徴的なレース。ノーザンテーストはHyperion的な粘り強さが春開催独特の芝質で効果的な働きをもたらすし、Mr. Prospector系はダート的なパワーが活きるという点でレース適性において優位に立てる。
【ノーザンテースト持ち】
05年1着ダイワメジャー(母父)2着チアズメッセージ(母父父)
06年2着キングストレイル(母父)
10年1着ショウワモダン(父母母父)
12年3着ネオサクセス(母父)
13年1着トウケイヘイロー(母母父)2着ダイワマッジョーレ(父母父)3着ダイワファルコン(母母父)
【Mr. Prospector系持ち】
04年1着マイネルモルゲン(母父Seeking the Gold)
06年1着グレイトジャーニー(母父Mr. Prospector)3着キネティクス(父フォーティナイナー)
07年1着ピカレスクコート(父ジェイドロバリー)2着コイウタ(母母父Mr. Prospector)3着マイネルハーティー(父マイネルラヴ)
昨年優勝したトウケイヘイローは父がサンデーサイレンス×Seeking the Goldのゴールドヘイローで母母父がノーザンテーストの配合でダービー卿CTでは特注の血統だから地雷視している場合ではなかったのだ。と今になって反省しても遅い。しかしレースの概要自体は把握できた。
これにハンデ、展開などの要素も織り込んで導いた結論は5歳ブレイズアトレイル。父ダイワメジャーは自身が当レースを勝っているようにノーザンテーストを内包。種牡馬としても過去5年の中山1600mは[17-18-18-81]でキングカメハメハに次ぐ第2位の成績。勝ち味に遅いが連対率26.1%、複勝率39.6%と驚異的数字を残している。
母父エルコンドルパサーはMr. Prospector系の中でも一線画す特殊性こそあるが同じようなキングカメハメハがこの舞台で優秀である点を考えても適性を否定する理由はない。まして祖母はファビララフイン、叔父にギュスターヴクライがいる一族で成長力の面でも期待できるだけに血統は満点。
勝ち上がりに5戦要したように比較的緩やかな曲線を描いてきたのが4歳春まで。夏の中京マイルを好時計で勝利すると新潟、中山と条件問わずに3連勝でマイラーとしての才能を開花させてきた。今回と同コースの秋風Sはスローの流れとはいえ内でピタッと折り合い、直線はソツなく抜け出して「1分33秒2」父の面影を感じる横綱相撲だった。
昇級後は善戦止まりも富士S(5着)は苦手な瞬発力勝負、リゲルS(11着)は太め残り、京都金杯(4着)では鋭さ負け、小倉大賞典(3着)が痛恨の出遅れ、中日新聞杯(9着)は距離が長かったなど敗因は明確。ブレイズアトレイルにとって条件、状態ともに力を出し切れるではなかったのが大きい。
だからこそ条件絶好の中山1600mに出走する意味は大きい。ずっと休みらしい休みのない馬だがこの中間も坂路一杯を消化して直前も通常通りのCW一杯。時計そのものは前走時より良いし好調を保っている。抜けた馬がいない中での「55キロ」は有利。外枠だが同型は少ないし思い切って先行さえすればラストは持ち味である粘り腰の出番になる。
相手筆頭はMr. Prospector系のウォーエンブレムを父に持つインプロヴァイズ。ウォーエンブレムは芝ダ兼用の通りパワータイプだから芝では上がりの掛かるレース向き。折り合いに課題があったり、出遅れたり何かと忙しい馬だが中山1600mでは自在の立ち回りで3戦2勝2着1回だから適性は高い。馬群を割って差し込んだ前走の韓国馬事会杯も強かったし、乗り方次第で勝機まである。
▲レッドアリオン「56キロ」は血統に関してダービー卿CT的なプラス材料こそないが順張りのアグネスタキオンで兄弟にリディルやクラレント、サトノルパンがいる良血。この一家はLyphardの前受けになった時こそ本格化。出遅れが解消されてようやくこの特性が稼働開始。好枠だし良い位置で進めれば上位必至。
ダイワメジャー産駒を本命にしたからには△カレンブラックヒルも軽視はできない。昨年は精彩を欠いたが僚馬カレンミロティックを置き去りにした調教(坂路で4F50秒8)の動きからして明らかに復調の兆し。阪急杯(11着)は先行すらしていないから参考外。荒れ馬場も平気だし、「57.5キロ」もこなせる。
昨年3着のダイワファルコン、実績では一枚上も試金石のコディーノ、ベストは1400mも相性のいいローテである唯一の東風S組で父マイネルラヴと血統的には向くカオスモスまで抑えたい。