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2014/04/20 14:30
皐月賞
皐月賞は抽選により収得賞金400万組の出走も叶った。近年では最も低いボーダーでちょっとした異常事態にも映るが、中山の馬場状態を考慮してダービーに照準を絞った馬も割といる。なにより有力と呼ばれる馬たちが順調に賞金を積んで一冠目に顔を並べたことが主たる理由でもある。当然歓迎すべきだ。
弥生賞の時も感じたが今年のメンバーを見渡すと皐月賞への適性を示す馬は十指に余るがダービーでこそと思わせる馬が少ないのが特徴的。だから東京2400mを本格派の王道と規定すれば、中山2000mはトリッキーなくせ者。そう考えるとこの皐月賞は頭を悩ます相当に難解な一戦になる。
中山2000mを得意とするタイプを挙げると「持続力>瞬発力」「先行力>差し」「器用さ」「パワー血統」など様々だが大きなポイントは大箱の東京にはないコーナー4つの難しさ。脚の使い処や仕掛けのタイミングが勝敗のウェイトを占める。騎手の腕も必須だが馬にも他のコース以上に意のままに動く柔軟さが要求される。
肌寒さ残る若葉の仁川から勇躍東上の段取りとなったアドマイヤデウスの皐月賞制覇に◎をうった。デビューから3着以内をキープしている馬だが、とりわけメンバー中最多の3勝をマークしている2000m(いずれも内回り)には絶対的な自信を秘める。経験が少ない馬に対してかなり有益な材料となる。
新馬戦(京都1800m)は前半5F63秒5のゆったりとした流れにも関わらず、道中なかなか行き脚がつかず押っ付けながらの追走。1、2着馬が内を通った一方でアドマイヤデウスは終始外を回っての3着だったがロスを考えれば悪くないし、最後までフワフワした感じでの上がり3F33秒7に非凡な能力の片鱗を窺わせていた。
2戦目(京都2000m)もラスト3F[11.7-11.5-11.6]を猛然と詰めたが勝ち馬にアタマ差届かずの2着だったが脚色は歴然。未勝利を脱出した3戦目(阪神2000m)は自然と先団後ろをキープし、直線外に出すと最後は叩き合いで軍配。徐々に学習して競馬を覚えてきたのが十分に伝わる内容。
追い込み決着を早めに動き過ぎた梅花賞は3着止まりも小倉2000mのあすなろ賞は完勝。全体的に緩みのないラップが刻まれた中を3角から進出して前を捕まえに行っても直線の伸びは快調だったように末脚の持続力はかなりの性能だし、それを支えるスタミナにも富んでいる。
勝ちタイム「1分59秒6」は過去最速。ハイレベルを裏付けるように2着シャンパーニュ、3着オールステイは500万を勝ち上がっている。若葉Sは権利の懸った一戦とは思えないほど大胆な後方待機だったが慌てず騒がずじっくり捌いて終わってみれば流してのゴール。この時点で岩田康誠はアドマイヤデウスの特性を存分に見抜いていたのだろう。
レースごとに動きの鈍さや緩慢さが解消されて身体能力の高さに加えて抜群の機動力、乗り手に従順な操作性が効力を発揮し始めた。最終追い切りは終い重点にブレのないフォームから力強い脚取りで態勢は整った。
父アドマイヤドン、母母アドマイヤラピスでアドマイヤの結晶とも言うべき血統。叔父のアドマイヤフジは若葉S優勝から挑んだ皐月賞でディープインパクトの5着に敗れたが中山金杯を連覇しているようにコース適性の高さは疑う余地もない。父系、母系の違いこそあれ、アドマイヤデウスもまたベガの孫である。
大混戦だから無理に目数を絞ることはしたくないがまずはラジオNIKKEI杯(1着)弥生賞(2着)と内回り2000mで結果を出しているワンアンドオンリー。父ハーツクライ自身は皐月賞惨敗だが産駒は中山2000m【9-14-18-52】で勝ち味には遅いが複勝率は驚異の44.1%。近親には02年の皐月賞馬ノーリーズンがいる。
まともならクラリティシチーはV圏内の候補に堂々と連ねていたはずの実力馬。スプリングSは強引に外を捲ったので脚が上がったものの激戦向きの耐久力を備えている。内枠を引けたし、じっくり脚を温存して直線に賭ければ一発がある。
若葉Sでアドマイヤデウスの2着に入ったウインフルブルームは父が泣いた18番枠でリベンジの時。トゥザワールド、イスラボニータ、アジアエクスプレス、キングズオブザサンが以下の順。