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2014/04/26 13:00
メトロポリタンS
エルコンドルパサーの顕彰馬選定と、その代表産駒であるトウカイトリックの訃報。今週は悲喜交々あった。スペシャルウィークやセイウンスカイの同期としてデビューしたエルコンドルパサーは98年のジャパンCとNHKマイルカップに優勝。同年の毎日王冠ではサイレンススズカ、グラスワンダーらと史上に残る名勝負を繰り広げた。
しかし最大の功績は難攻不落とされてきた凱旋門賞の分厚い扉を叩いたパイオニアとしての役割だ。当時としては異例となる長期現地滞在。手本など何もない状況下から創意工夫、苦心の末に馬を欧州仕様にチューンナップし世界最強の座にあと一歩まで近づいた。投票システムや投票する側の稚拙さで15年の歳月が経過していたのは残念だがこれでまた誇れる至宝が加わったのは喜ばしい。
父としては三世代に夢を託しただけで惜しくも急逝したがヴァーミリアン、ソングオブウインド、アロンダイトなど優秀な遺伝子を継ぐものが現れている。その中には今年の2月に10年間の競走生活に別れを告げたばかりのトウカイトリックもいる。国内外通算63戦9勝。重賞は3勝だが記憶に残る名優であり、どんな名馬よりもファンに愛された馬だった。
8年連続天皇賞(春)出走などいつしか長距離戦の象徴となり、生涯総走破距離「175.1Km」は半永久的に輝き続けるであろう大金字塔だ。晩年には同世代の英雄ディープインパクトの産駒たちと対戦することも珍しくなかったが蓄積した経験に基づく老獪な走りで翻弄するシーンも度々あった。
正直なところ現役が長すぎて後半は中だるみしたが個人的には若い頃から応援していた馬(神戸新聞杯で本命にしたのが最初だった気がする)で、それこそ春天はディープに捲られて沈んだ時からしばらく買っていたから、結果的に最高着順だった07年3着は本当に悔しかったことを覚えている。
春天では応援の単勝も毎年買っていたが当時は別に深い意味もなかったから途中で見限ったが少し惜しいことをしたか。しかし13歳まで走るなんて考えもしなかった。それでも名ランナーと共有できる時間があったのは忘れられない財産だ。
誘導馬として天皇賞(春)で再び脚光を浴びるチャンスは失われてしまったがトウカイトリックのことだ。天国でも元気に走り続けるのだろう。
【メトロポリタンS】は重賞での好戦実績を持つ馬もいるが東京2400mを考えるとアドマイヤバラードの血が騒ぐ。父ハーツクライはダービー、ジャパンCでいずれも強烈な末脚を駆使して2着。半兄アドマイヤメインも青葉賞優勝、ダービー2着しているようにこのコースに抜群の適性を感じさせる血統構成が最大の魅力。
過去4勝はいずれも2200m以上でステイヤー資質を大いに匂わせる。それだけにややジリっぽく遠回りしているが咋夏苦労していた1000万の箱根特別を久々であっさりパス。しかもスローから後半4F11秒9-11秒7-11秒6-11秒7の加速ラップを差しているから価値がある。ダイヤモンドS(8着)は仕掛けが早すぎたのが敗因。再度格上挑戦の「53キロ」適条件で仕切り直す。
相手も東京2400mでは2戦2勝のプロモントーリオでいける。おそらく芝ダ云々よりも距離も伸ばしたことで道中のタメが効いていることが好結果に繋がっている。日経賞は出遅れて流れに乗り損ね内枠をフイにしたが今度は大外から逆襲の差し。
昨年のダービー7着馬ラブリーデイは馬体に幅を増し、目下充実一途。どちかと言えば父のキングカメハメハ的な体型だが母系はダンスインザダーク×トニービン×リアルシャダイとスタミナ色が濃く2400mでも圏内。
ダービーフィズは長くいい脚を使えるタイプで東京のヨーイドンは瞬間的な反応で劣るため不利だがごちゃついたり、外々を回らされて余分な距離を走らされるよりはマシかもしれない。春の東京は開幕週でも差せる馬場だし連下には注意。