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2014/05/10 07:02
京都新聞杯
キズナが京都新聞杯をステップにダービーを制覇したのは記憶に新しいが、そう立て続けにこのクラスの馬が登場するのは難しい。しかしハーツクライやインティライミ、トーセンホマレボシなど栄冠に迫った馬は少なくない。ひとあし遅い春を迎えている馬の充実度を見極めたい。
中距離への路線変更と成長曲線がどんぴしゃでハマって急浮上してきたダンディーズムーンの勢いに◎だ。デビューしたのは7月の函館1200mで父アドマイヤムーンの血統背景からも陣営の見立ては完全に早期完成の短距離馬。それもそのはずで本馬はマイネルのビッグレッドファームの育成。
昨春の時点でかなり乗り込みが進んでおり、調教主任から「乗り味が良く、早くから活躍できる」とのお墨付きもあったくらい。しかし蓋を開けてみれば新馬こそ3着に入るも続く未勝利が6着。短距離に見切りをつけた3戦目(阪神ダ1800m)で大敗して新潟の芝2000mで4着。
まさに手探りだったが5戦目の阪神2000mで初連対(1着ワールドインパクト)冬場に調子を落としてまた苦しんだが通算9戦目(阪神2400m)で好位から抜け出して漸く初勝利を掴むとアザレア賞ではダービー行きを目論む素質馬たちを粉砕。ここに来ての連勝は明らかな心身の変化を示す。
前走にしても外枠からスッと番手に収まり3角から無理なく逃げ馬との間合いを詰めてこれを目標に直線はスパートし、後続の追撃も封じる着差以上の完勝。相手関係を考えれば十分に価値を見出だせる。体質が弱くポリトラック中心の調教だったのが暖かくなるのを待つように調教を強化。
間隔は空いたがCWで計3本。一週前は雨をたっぷり吸った重馬場だったが6F80秒3-1F12秒5[強め]の好時計をマークし、今週も6F80秒1-1F12秒2[一杯]弾むようなフットワークが印象的で目下絶好調の姿。ふたつの転機が相乗効果を呼んだダンディーズムーン“激変の春”を再び体感するだろう。
○スズカデヴィアスの前走皐月賞は発馬遅れで後手に回り、馬群でまともに揉まれるなどG1の洗礼を浴びて14着。ローテ的にも厳しかったしキャリア4戦目はいかにも若かった。ただこの馬にしても陣営が成長に合わせて大事に使っているから伸びシロは豊富。
前半5F64秒3の超スローを内で控える形になったすみれSは残り800mから一気にペースアップしたところでズブさを見せたが直線は割って出てワールドインパクト(青葉賞2着)との叩き合いを制したように能力は非常に高い。ナスキロの柔らかい体質だから京都向きだし祭典を前に良血の本領発揮だ。
▲ハギノハイブリッドは共同通信杯(6着)で本命にした時はインで窮屈な競馬になり消化不良。最近のレースも器用さがないので大味な粗削り感は否めないが直線の伸び脚は豪快で父タニノギムレットを彷彿とさせる。内枠が鍵になるので秋山騎手はうまく捌きたい。ダービーで見たい好素材だ。
△サウンズオブアースは11年2着ユニバーサルバンク、13年3着ジャイアントリープと当レースで結果を残しているネオユニヴァース産駒。母父Dixieland Bandもスタミナ系だし距離延長は望むところ。折り合いはつくし、馬場を意識した位置取りも可能な自在性を兼備。上位に食い込む力はある。