723件のひとこと日記があります。
2014/05/11 14:00
NHKマイルカップ
府中のマイルで逃げ切りが困難であるのは周知の通り。稀少な一例である12年のカレンブラックヒルは[3F35秒1-4F47秒3-5F59秒9]だから望外の超スローで上がり3F[11秒6-11秒3-11秒7]では後続が差を詰められなくて納得のラップだ。
昨年ハナをきったコパノリチャードが[3F34秒4-4F46秒1-5F57秒8]こちらは撃沈したが圧倒的に男らしい。そもそも過去10年で前半3Fが35秒台だった12年と05年の2回が特殊で、34秒台前半が普通だし、33秒台の年が3回もある。
これがスピードに特化した短距離馬と時にはダービーへのステップともなる大物中距離馬が狭間の距離で対決するNHKマイルカップの持つ本来の性格だ。カレンブラックヒルの3F目からの12秒0-12秒2-12秒6など通常は有り得ないから、そもそも逃げ切りの目は出ないと考えたい。
注目のミッキーアイルはスタートから先頭を譲らずの競馬で4連勝。唯一2番手だった新馬戦は2着。当時負けたアトムも決して弱い馬ではないから一概に番手が無理だとは言えないがミッキーアイルの前半3Fの最速は「34秒5」だ。
シンザン記念「35秒5-47秒9」アーリントンC「35秒2-46秒7」の2戦は東京1600mを逃げ切れるだけの裏付けを示していない。同型はダンツキャンサーくらいでもG1ともなれば相対的にペースは上がる。実戦から2か月離れて、初コースで勝ち負けは甘い。
しかし展開について煽ると得てして、読みとは逆に進んだりするものだから難しいが今回はセオリー通りゴール前で差して来られる馬に絞った。◎ショウナンワダチは東京マイルで2戦2勝と相性抜群。新馬、特別の記録と侮るなかれ。
新馬戦は4コーナーを唸るような手応えで回って直線もきっちり弾けての快勝だが、道中はかなりのスローでピッチが上がったのはラスト2Fから11秒2-11秒2。ほぼ全馬余力を残した状態の中を差し切った上に2馬身差だから見事な斬れ味。
2戦目のベゴニア賞も馬群の最後尾付近を追走し、直線もしばらくは全くスペースがなく絶体絶命だったが、残り200mで漸く進路を確保するとあっという間に抜けて2着に抑えたのがロサギガンティア。上がり3ハロン33秒6は強烈だった。
スタートの出が良くない不器用な馬だけに朝日杯FSの大外枠は致命的だったが自分の競馬に徹して0秒5差6着。共同通信杯もさすがに直線一本で局面を打開するわけにはいかなかったがイスラボニータ、ベルキャニオン、マイネルフロスト、ハギノハイブリッドと先着を許した面々はダービーに駒を進める馬たちで悲観する必要は全くない。
前走のNZTは前半3F34秒0-4F45秒7の淀みない流れに乗って、直線は一緒に進出したショウナンアチーヴとの追い比べ。目標にされた分、捕まって2着だったが坂上では突き離したし能力の在り処を再確認するには申し分ない内容。東京替わりで逆転できる差だ。
元々我の強い馬で厩舎関係者はデビュー前から苦労していたが、NZTのレースで成果の半分は発揮されている。大竹調教師はまだ若手だが理詰めで物事に立ち向かうタイプで信頼できる。調教の動きは絶好だった。Danzigが代を重ねるごとに距離適性を広げていったのと同じようにショウナンカンプがサクラバクシンオー系確立の第一歩を踏み出す。
相手本線は○ショウナンアチーヴ。NZT1着、朝日杯FS2着の力は一枚上。母ショウナンパントルは2歳女王。血統背景も頼もしい。▲サトノルパンはスタートが鍵も決め手だけなら世代屈指で首位戦線になる。△エイシンブルズアイは毎日杯2着だが46秒台の優秀なタイムで走っているだけに総合力を評価しておきたい。