平安Ｓ・(メイＳ)

内枠先行有利が定説の京都ダ1800mはスタートしてから１コーナーまでの距離が「285.8m」それに対して1900mは「385.8m」この100mが外枠の負担軽減にひと役買っているのだろうか？各距離の１・２枠および７・８枠の勝率、連対率、複勝率の成績を比べてみた結果は以下の通り。

1800m《1枠8.9・15.5・22.1》《2枠8.3・17.7・25.4》
1900m《1枠9.6・17.7・22.8》《2枠6.8・10.8・19.6》

1800m《7枠5.7・11.3・19.4》《8枠8.0・15.5・22.2》
1900m《7枠3.7・9.4 ・19.3》《8枠8.7・15.4・20.5》

１枠は出走頭数の割合的に勝ち馬が多いのでやはり優秀とみていい。逆に８枠も頭数なりに勝ちを伸ばしている傾向でどちらの距離でも上位の数値を叩き出しているのが印象的。少なくとも外枠不利ではない。案外なのはむしろ中枠。相対的に厳しいと刷り込まれる極端な外の方がおそらく好ポジションへの意識が高まりやすいのだろう。

展開面ではトウショウフリークの出方が鍵。アンタレスＳは速い馬がいたため控えざるを得ない格好だったが中盤まで引っ掛かりっぱなし。それでいてラスト差す形で２着を確保したのだから交流重賞上位常連の力も伊達ではない。それでも素直に逃げること前提で△が精一杯。この騎手が味をしめて再度揉まれる競馬による大敗は想像に難くない。

連軸視するなら本格化したナムラビクターで文句ない。アンタレスＳは発馬こそ煽ったが中団後ろから３角手前でスッと馬也で仕掛けて、４角ではニホンピロアワーズと一緒に先頭へ並びかけると抜群の勝負根性をフル回転させ２着トウショウフリーク以下を競り落とした。京都も２戦２勝だし調教もすこぶる順調だ。

このナムラビクターの死角を探すとすれば安定さを欠くゲート。これまで遅れ気味だった時はいずれも外目の枠で事なきを得ているが内枠でごちゃつく危険性はある。アンタレスＳの惨敗で妙味がでてきそうなソロルの巻き返しに◎だ。その前走は勝負所でまったく反応がなく直線は虚しく後退するだけに終わった。

ただ激戦のマーチＳ勝利から中２週。中間の本数はあまり関係ない馬だが直前の時計は平凡。不安の予兆らしきものが芽生えた中での１２キロ増だったからある種では納得づくの敗戦とも言える。陣営も意に介していない様子だし、緩みのない流れを捲って力で捩じ伏せたマーチＳの内容を見直したい。

ポルックスＳでは56キロのナムラビクターを相手に55キロで凌いでいる。この１キロ差が今回への伏線となるはずだ。シンボリクリスエス産駒だがサンデーサイレンスとの組み合わせだから軽い馬場でも大丈夫だし、叔父にゴールドアリュールというこれ以上ない血統背景を構えている。入念に太目解消に努めたのが窺えるし今度は好勝負必至だ。

ナムラビクターが大本線。目下の充実ぶりなら大崩れはない。アンタレスＳは上がり最速ながら展開不向きで５着だったグランドシチーの決め手が３番手。逃げたブリリアントＳは度外視のドコフクカゼは間隔を詰めて好成績のワイルドラッシュ産駒。単騎が条件のトウショウフリーク、気分屋な面はあるがスムーズだった時のクリノスターオーの粘り込みまで注意。

東京の芝は露骨に内を固めた馬場で外差しの出番は皆無。ＮＨＫマイルカップのミッキーアイル、京王杯ＳＣのレッドスパーダ、ヴィクトリアマイルのヴィルシーナと先行してスピードを持続させたシンプルな戦法の馬が勝っている。【メイＳ】は◎アロマカフェ。前半5F60秒9からラスト11秒7-11秒6-11秒8の上がり勝負になった３走前の白富士Ｓ(２着)が絶好のお手本。

中日新聞杯(１２着)福島民報杯(６着)は凡走しているが前者は度重なる不利が響いたし、後者はアロマカフェの長所を否定するような消極的な騎乗だっただけに参考外。斤量５５キロなら頭まであっていい。昨年大穴をあけている○タムロスカイは馬場適性が高いだけに今年も警戒。復調したムーンリットレイクが▲ウインプリメーラも叩き２戦目、軽量５２キロと条件は揃った。