今もこれからもずっとブエナビスタと。

そうそう、書きそびれていました、【優駿】のブエナビスタと厩務員山口さんのお話。
もちろん、涙に溢れて、それこそ紙面を濡らして読みました。
余談ですが、オルフェの短期集中連載と同じように、ブエナビスタの引退前後を特集してくれたらな、と思います。

さて。記事は山口さんの視点で、ラストラン後のブエナを回想します。
オルフェーブルという新しい時代の駿馬を賞賛し、また同時に、ターフを去る名牝を讃え飾るように舞い落ちた純白の雪。
激務を終えたブエナを乗せる馬運車の窓から眺める道中の景色もまた、濃い冬景色。
山口さんは何より、「無事に走り終えて戻ってきてくれればいい」と願ってレースを見ていたそうです。
それは山口さんだけでなく陣営皆が願っていたように思います。（松田博師も対談にて同発言）
レースにてブエナが終始内内の悪い馬場を通って苦しんでいる様子が痛々しかった。
だからとにかく早く、無事に走り終えて戻ってきて欲しい、その願いは今思うとこちらまで切なくなるような、本当にブエナを大切にしている言葉だと、実感します。
昨年のJCで見事にゴールを駆け抜けた後、達成感に満ちたブエナが「口取り写真はないの？」と不思議な顔をして待っていた、というエピソードも胸が締め付けられ、あのときの自分の想いが込み上げてきてしまいました･･･。

そして雪辱のJC2011。山口さんも「ここで勝つのか」と驚いたそう。私たちファンも彼女の聡明さと努力と根性に感服しました。

彼女の常に一生懸命な姿は誰もが知るところで、それを一番身近な場所で見守り続けていた山口さんにとってはブエナとの一日一日が大切な想い出でしょうし、また素晴らしい経験、記録なのでしょうね。きっとこの道中いろいろと思い出されることがあったと思います。

この記事では、そのほんの一部ですが垣間見えて、読後はなんともいえない切なさ、寂しさ、そして晴れやかさに満たされました。
トウラクや引き綱（でしたっけ？）はジョワドヴィーヴルに引き継がれ、早くも次のステージへ歩みだした彼女は、キングカメハメハとの仔を受胎し、また私たちに幸せな報せを届けてくれています。お母さんになる彼女はどんな子育てをするのでしょう！母ビワハイジのような素晴らしい遺伝力をもって、数年後のターフを賑わせてくれるに違いありません。

それもまた、新しいブエナビスタの姿としてずっとずっと愛していきたいです。