大地が弾んで!?日英ダービー制覇の夢編?

皆さんこんにちはミズホ厩舎です□

日本ダービーの悪夢を払拭し、ついにクラシック三冠に王手のかかったシャワー□
このまま菊花賞へ…と、行きたいところですがミズホ厩舎陣営は、攻めの体勢を止める事なく、シャワー初の海外遠征に挑戦を決めました

ミズホ厩舎は、弱小ながら一つの伝統を持っています
弥生賞や皐月賞、オークスを勝った息子娘で、マイル路線に進まずに、中長距離路線を歩ませる息子娘は、三歳でしか挑戦出来ない、「ザ・ダービー」ことイギリスダービーへ、必ず遠征するローテーションを守っています
ダンスは、日本ダービーで惨敗した後に、この英ダービーで屈辱を晴らす勝利を掴み、そのまま三歳で欧州三冠を成し遂げました□

シャワーは、クラシック三冠に王手をかけた勲章を引きさげて、エプソム競馬場へ向かうという、まさに日本から送られた刺客でもあります□
初の日本ダービー制覇アキレス腱が切れてしまうような□身にあまる偉業の達成を夢見て…□
私とシャワーは、イギリスへと旅立ちました

中3週という、過酷なローテの心配はありましたが、それをも吹き飛ばすようなシャワーは1.8倍の1番人気に支持されました
条件戦を含めて、ここまで重賞は無傷の3連勝パドックを歩くシャワーの姿に、私は見とれていました□

欧州でもシャワーの強さが炸裂すれば…
もしかして□欧州三冠にクラシック三冠か□
参ったなぁ□
京都競馬場に姿を現す時は、すでに欧州三冠の勲章をぶら下げてたりして…

投票時間の間に、こんなに夢を膨らませながら、ワクワクしていたのは初めてでした□
ダンスの時は、日本ダービーの失速があり、且つ、初めての仕上げに失敗のコンディション絶不調という、暗雲だらけの挑戦でした
フワフワとした気持ちのまま、いよいよシャワー初の海外レースが幕を開けます

その時…チラっとミズホ厩舎の陰から、鋭い視線を感じました
その視線は…カフェかおまえもシャワーの晴れ姿を見たいのか

いよいよ英ダービーの発走…
ランプは虹か…虹か…

虹だ□□□

「きた?□□」

きっと私の顔は、おたふくよりニンマリした気色悪い表情だったでしょう□
私は一刻も早く、シャワーがライバルたちを、全て抜き去る姿が見たい気持ちで、ソワソワしていました
そんな私をなだめるように、シャワーは最後尾でジッと待機しています

無敗で日本に帰るぞアスコットへ行かなきゃなブラックジャック安古市店(私のホームの名前です)で、今から最強伝説が始まるぞ□□
2度目のカットインが入り、レースはいよいよ、伝説の扉へと続く長い坂道を迎えます

「行くぞ□シャワー□」

仕掛けどころを、ちゃんとわかっているシャワーは、ジワジワと脚色を上げていきます□
虹色の豪脚シャワーを、欧州に浴びせる準備は整いました

「いけ?□差して差して差しまくれ?□□」

シャワーの豪脚が、エプソム最後の難関に歩みを進めると、大外からライバルたちを次々と交わしていきます
この光景に、私の興奮は天井をも突き破りそうなくらい、拳をカタカタと震わせていました□

「いける□いけるぞ□□」

残り400mを切って、脚色は先頭を捉えた□シャワーの豪脚に勝てるものなどいない…□□

「あれ□あれ□」

4番手まで上がった時でしたまるで、ルームランナーの上を走っているかのように、シャワーと先頭集団の差が縮まりません

「え□ええ□□」

パネルに目を移すと…
シャワーの脚色が…黄色□□まさか…の…失速□□
忘れていた悪夢が、再び甦るとは思いもしませんでしたエプソムにも、魔物が住み憑いているとは
シャワーは、そのまま脚色を伸ばす事なく、ゴール板を4着で駆け抜けました□

「そ、そんな…マジか」

まさかの惨敗に、私はしばらく声が出ませんでした
虹色発走に、道中も掛かる事なく、仕掛けるタイミングも申し分なかったのに
これが競馬であり…これがスタホなんですね
力を出し切れなかったシャワーも、心なしか悔しい様子で、厩舎に戻ってきました□

そうか…カフェの鋭い視線…それは私に対する戒めか…

負けて当然、勝ったら奇跡□

シャワーの豪脚を止めてしまったのは、私の中にあった、慢心という魔物だったのかもしれません
改めて、己の未熟さを痛感しながら、競馬やスタホに絶対というものがない事を実感しました

常に挑戦者であれ

この言葉を土産に、私とシャワーは帰国の途に着きました

次回帰国したシャワーが、いよいよ三冠に挑戦淀の坂を駆け抜け、栄光を掴み獲る事は出来るのか□□

シャワーは呟きました…
次はパリに行けると思ったのに
(来年連れてきてあげるけぇおまえって意外とミーハーなんじゃね□)