67件のひとこと日記があります。
2012/01/17 10:01
大地が弾んで!?淀の坂に夢を乗せて編?
皆さんこんにちはミズホ厩舎です
皐月賞と日本ダービーを無敗で制し、初の海外遠征に臨んだ英ダービーでは、慢心が招いた4着に終わり、教訓を土産に帰国の途についたシャワー
とは言え、国内では未だ土付かずの3連勝ターゲットはWBCCか…それとも三冠の夢に向かって菊花賞か
陣営は悩んだ挙句、京都の晴れ舞台へ直行する道を選びました
三冠に、王手をかける事すら初めての私にとって、制覇した事のない菊花賞への挑戦は、幾重にも高く積まれた、遥か天にまで届きそうな、そびえ立つ壁を越えようとする、無謀とも言えるものでした□
今まで、三冠に王手をかけながら、菊花賞で散っていった他の厩舎の子どもたちを、何度となく見ています
クラシック三冠は、異なる距離を、三歳という馬にとっての言わば思春期の時期に、全て一発勝負で勝ち取らなければなりません□
だからこそ、三冠馬は現実でも数えるほどしか生まれておらず、ましてや王手をかけながら、散っていった子どもたちもたくさんいます□
よもや、私にそんな運命を携えてくる息子娘が現れるとはSWBCへの挑戦とは違った、何とも言えない高揚感と、留まる事のない緊張感が、交互に飛来してきます
日記では、皐月賞から4回に分けて認めましたが、実際は皐月賞から菊花賞まで、一気に駆け抜けています
サテにいる常連さんたちも、シャワーに三冠の王手がかかっている事は、当然わかっているはずです
弥生賞2.9倍(皐月賞2.3倍、そして日本ダービー1.7倍から英ダービー1.8倍と、誰が見ても発動馬である事は明らかです
果たして、菊花賞ではどれだけの支持を集められるのか…サテから、三冠阻止の洗礼はあるのか…
何度となく席を立ち、何度もタバコの煙りを燻らせて、シャワー一世一代の大舞台の時を待ちました
京都競馬場は、シャワーを快晴の舞台で迎えてくれました
いよいよ訪れた、クラシック三冠最後の冠である菊花賞
「時はきた」
この短評に記された、シャワーの支持は1番人気の1.7倍
淀の舞台に駆け付けた人々の誰もが、三冠馬シャワーの誕生を望んでいる…そう思いたい心境でした□
思いたかった
だがしかし□□
「おいおい…□」
なんという事でしょう…サテから、レンタル馬2頭に自家配合馬2頭の、合わせて4頭が出走という洗礼を頂いたではありませんか□
「望むところよ…シャワーなら…おまえらなど…」
自家配合馬のうち、1頭は神戸新聞杯に出ていたので、恐らくぶつけてくるだろうとは予想していました□
しかし、レンタル馬はどちらも菊花賞が初戦という、思わず苦笑してしまうくらい、明らかなシャワーに対する挑戦でした
私自身、こういう洗礼は大好きです□これくらいのハードルがあってこそ、成し遂げられた三冠には、箔が付くというもの
真意はともかく、シャワーの大舞台に華を添えてくれる、なんとも粋な演出を、むしろ快く歓迎しました□
それだけシャワーの力が認められた証ミズホ厩舎初の三冠の栄誉を□□
本馬場入場が終わり、ファンファーレの鳴り止んだ京都競馬場…
シャワーにとって最初で最後の菊花賞…
発走は…何色だ…どうなんだ
ランプは虹色□□□
「………」
初めてでしたランプの色、しかも虹色にも関わらず、喜怒哀楽の感情は全く込み上げてきませんでした
日本ダービーの緑、英ダービーの虹、結果はゴールを駆け抜ける一瞬までわからない
負けて当然、勝ったら奇跡
常に挑戦者であれ
ある意味で、この菊花賞は私を一回り大きく成長させてくれたのかもしれません□
「いいよいいよ□そのまま自分のペースでいこう□」
シャワーに送る言葉も、なぜか冷静で驚くほど落ち着いたものでした□
最後尾から3番目くらいの、いつもとは違った、少し前の位置取りで、一度目の淀の坂を越えます
メインスタンド前の歓声を浴びながら、シャワーはじわりじわりと位置取りを上げて、二度目の淀の坂へ向かいます
弥生賞から英ダービーまで、シャワーが駆け抜けた時間が、まるで一瞬だったとも思えるくらい、菊花賞はとても長く感じました
二度目のカットインを迎える瞬間…そこからでした菊花賞のゴールを駆け抜けるまで…とんでもないドラマが、私を待ち受けているとは
次回三冠街道を通ってゴールへ向かうシャワーそこで待ち受けていたものは□果たして三冠は成るのか□それとも…
その日…京都の芝に一つの言葉が浮かびました…
歴史は その瞬間を 待っている