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67件のひとこと日記があります。

<< 騎手の存在感... ひとこと日記一覧 荒療治は一発継承?!... >>

2012/02/21 10:00

人馬一体?第32代ダービー馬の絆?

皆さんこんにちは
昨夜、タホ友が3度目のSWBC制覇を達成し、弟子の目に見える成長を感じているミズホ厩舎です□
タホ友からひと言…

「師匠□あと1回Sを勝てば、師匠に追いつきます□□」

マ、マ、マジっすか□
わしも、師匠と呼んでもらっている今のうちに、本を出しておくか題名は…

『気がつけばタホ友の師匠』

吉永みち子さん□冗談が過ぎました□すみません□

さて前座はこれくらいにして□
前回の日記『騎手の存在感』では、初めての方からもコメントを頂きまして、騎手に対するアツい想いやエピソードを教えて頂けた事に、感謝しております□
今日は、騎手と馬の絆にまつわるエピソードを、私の方からご紹介する形で、御礼の代わりにさせて頂こうと思います

サラブレッドの頂点を決めるレースと言われる、東京優駿こと日本ダービー
その歴代ダービー馬の中で、騎手と馬の絆を魅せた物語があります
ちなみに、記念すべき第50代ダービー馬はミスターシービーです(□自重しようと思いましたが、やっぱり言っちゃった□)
1965年第32回日本ダービーの優勝馬キーストン今日は、彼に主役を務めてもらいます□
イバルダイコーターと、熾烈な争いを経て掴んだ、素晴らしいダービーの栄冠でした
キーストンの主戦を務めたのが、後に調教師として、獲得重賞32回という実績を残した、山本正司さんです
「32」という数字から、すでに二人の絆を感じてしまいますね

クラシックの戦いを終え、晴れて古馬として臨んだ、3100m(当時)の阪神大賞典
本来は適性距離がマイラーと言われたキーストンの、長い長い一人旅でした
4コーナーを過ぎて、キーストンは先頭にいました□このまま逃げ切れるか…
しかし、キーストンを待っていたのは、ライバルたちの影ではなく、無情な悪魔の影でした
懸命に走るキーストンは、突然、山本騎手を放り出すように、前から転倒してしまったのです
キーストンの前脚は脱臼し、投げ出された山本騎手は、頭部を強打して昏倒しました
身動き一つしない山本騎手イバルたちは、二人の脇を駆け抜けて、次々とゴールしました
場内は騒然とし、観衆は山本騎手とキーストンを見つめていました

次の瞬間□

前脚を脱臼して、歩くのもままならないキーストンが、懸命に歩を進めて、山本騎手の元へ歩み寄りました
鼻面を、まるで呼び掛けるような仕種で、山本騎手に擦りつけるキーストン
するとキーストンの顔を力一杯抱きしめました□
そして、続々と駆け付けた関係者に、キーストンの手綱を託すと、山本騎手は再び意識を失ったそうです
しかし…山本騎手とキーストンにとっては、これが最期の別れになりましたキーストンは、予後不良と診断され、そのまま帰らぬ人となりました

「あまり印象に残らない騎手だった僕が、キーストンとダービーを勝つ事が出来て、なのにキーストンがあんな事になって、キーストンは不幸を全て背負ってくれたのかもしれない。キーストンのおかげで、僕はみんなの印象に残り、調教師になってからも、たくさんの人に支えてもらう事が出来たと思う」

激痛に耐えながら、それでも山本騎手の元へ歩み寄る姿…
騎手と馬の絆が、間違いなく存在する事を、キーストンは最期の力を振り絞って、私たちに伝えてくれたのだと思います
それは、他でもない山本さんが一番多く感じていました

確かに、キーストンが何を思って山本騎手の元へ、歩を進めたのかはわかりません
キーストンの逸話は、美談だとも、人間の身勝手な脚色だとも言われます
でも、人間のような打算的な意識のない、美的感情を持たない馬が、己の苦痛を圧してまでも歩いた姿は、人間には備わっていないと言われる、動物的な第六感を持つ馬が、山本騎手との絆を感じたからこそ、キーストンの脚を山本騎手の元へ、向かわせたのだと思います
あの瞬間…キーストンは山本騎手に、最期の別れを告げたように、私は感じました
身動き一つしない、昏倒した山本騎手を助けるかのように、鼻面を擦りつけ、それが山本騎手の意識を呼び戻し、山本騎手と最期の温もりを交わせたのだと

前にも記しましたが、競馬は確かにビジネスであり、勝つ事で成立する商売です
成績が奮わなかったり、騎乗方法に不満や異論があれば、騎手の乗り替わりというのも、勝つための一つの方法かもしれません
可能性を、少しでも高める事がプロであり、ビジネスを成立させるための手段でもあります
しかし、競馬は競艇や競輪と違って、相手は生命を携えた動物です人間サイドの思惑で、可能性が上がるかと言えば、大いに疑問を抱きます□
人馬一体は、一朝一夕には成し得ません□お金やその場しのぎでは、創る事の出来ない、人と馬の絆です
目先の勝利も大事ですが、先の事を見据えた育成論も必要だと、私は思っています□

第32代ダービー馬キーストン…シービーに負けず劣らず、美しき名馬だと思います

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  • りょうへいさん

    >>えいめいさん

    こんばんは
    えいめいさんの、お師匠さんはとても粋な方ですね
    まさにその通り馬も騎手も、命を賭けて人馬一体でコースを駆け抜ける姿は、どんな馬や騎手でも輝いています
    キーストンの姿や、ライスシャワーの姿は、競馬に夢やドラマを求める者にとって、絶対に忘れてはならないものだと思います
    馬券にも、いろんな考え方や理論があるんですね□
    私はダメです自分の想いの方が強すぎて、なかなか勝ちにいけません

    2012/02/22 23:01 ブロック

  • りょうへいさん

    >>ガチャさん

    こんばんは
    ガチャさんも、アンビリーバボーを観たんですね私も観たかった
    馬が、人間に対してどんな想いを持っているのかは、飽くまで推測の域を出ませんが、長くパートナーとして携わった騎手や厩務員さんには、絆を感じていると信じたいです□
    ガチャさんは、実際の競馬をよくご存知ないんですよねならば、ミスターシービーに是非触れて下さい
    シービーから競馬を始めた人も多く、またシービーの軌跡は競馬を好きになれる、まさに最高の教科書になります□
    シービーの良さを、ガチャさんなら間違いなく、感じてもらえると思います□
    タホ友は元々、頭も良くてセンスもあり、競馬にも通じているので、私が見込んで教えてきました□
    師匠なんて、呼ばれる柄じゃないんですがね□
    まぁすでに抜かれそうな勢いです

    2012/02/22 22:36 ブロック

  • えいめいさん

    こんにちは

    キーストンの話は、自分が競馬を始めるきっかけを作ってくれた『師匠』に最初に聞かされ競馬場に行くきっかけになった話です

    『自転車やボートや色々公営のギャンブルは有るけど、人と馬 2つの生き物が協力しあい、転倒したら死ぬかも知れない状態で 命懸けでレースをしているから 一番競馬が面白い』って言うのが口癖でした



    その『師匠』の格言で、

    『重賞レース、特にG1では、枠連の10倍に近い目を少し押さえておけ

    っていうのがあって、この前のフェブラリーSは少し勝てました

    2012/02/22 15:27 ブロック

  • ガチャさん

    こんにちは

    私のようなド素人が顔を出す場ではないですが
    このお馬ちゃん知ってます
    ちょい昔に何かのテレビで見ました。
    胸が熱くなり、泣きそうになったのをおぼえています

    りょうへいさん
    スタホ仲間の方は、もうすでにそこまで強くなっているんですか
    かなりの凄腕さんですね
    その方と切磋琢磨してりょうへいさんは更に強くなりそう
    私の届かないところまで行ってしまうのね
    もしや全国ランカーに

    2012/02/22 13:53 ブロック

  • りょうへいさん

    >>コタチャンさん

    こんばんは
    参ったなぁ□コタチャンに、初めて嫉妬しましたよ□
    だって…シービーのあんなに綺麗な写真を、いつでも眺められるんだから
    羨ましい名古屋まで行きたくなるこっそり、新規のふりをして、「ミスターシービーって種牡馬って出現しますか」と聞いてみたい□
    ダメだ□キーストンの話なのに、今のコタチャンにはシービーの事しか、話が出来ないスタホ3って、最高のゲームです□素晴らしい□シービーの価値がわからないコナミとは大違いだ□

    さて…サラブレッド故の、ガラスのような脚あの細い脚で、400kg以上の馬体を支えている事自体が、本当は異常なんです
    極限まで絞られた躯で、スピードとスタミナを競う競馬事故がなくならないのは、不可能かもしれません
    でも、その極限状態の中で、騎手もまた、極限のスピードの中で、命を賭けて馬に跨がる
    極限を背負う者同士に、絆が生まれるのは、当たり前なのかもしれませんね

    コタチャン□ミスターシービーの良さをもっと知ってほしい□わしより若いコタチャンが、シービーの物語を受け継いでくれたら、シービーがルドルフやブライアン、ディープの強さの記憶を吹き飛ばして、名実ともに最高の三冠馬になれるかもしれない

    大地が弾んでミスターシービー□

    2012/02/21 23:12 ブロック

  • りょうへいさん

    >>ふ?さん

    こんばんは
    アンビリーバボーで紹介されていたんですね観たかったです
    ボーイとクインの同級生の恋私はあると思います
    デビュー戦で、前を走るボーイを追いかけたクイン
    そして、繁殖世代を迎えての再会唯一産まれた愛の結晶シービー
    人間が創作したドラマだ□決めつけているのも、また人間
    馬の感情をわからない者同士が、お互いに決めつけているだけです□
    産まれた子が唯一シービーだけで、これも偶然と決めつける人間と、ドラマを創る人間□
    馬と会話が出来る日が訪れるまで、どちらが正しくて間違っているのか…答えはわかりません
    人間のように、理性が小さいと思われる分、本能で動き、動物的第六感が備わっている馬は、人間の思惑を超えた、さらに高度な位置で生きているかもしれません
    山本騎手に歩み寄り、鼻面を擦りつけたキーストンパートナーの的場騎手を、完全に避けて転倒したライスシャワー
    かくも、偶然とはこんなに起こるものでしょうか□
    ごく一握りの活躍出来るサラブレッドの陰で、人間の都合で短い命を奪われる現実
    だからこそ、私は競馬を、賭け事としてではなく、人と馬の芸術作品として鑑賞しています
    同級生唯一の、愛の結晶が、常識破りで三冠を成し遂げた、ミスターシービーの奇跡二度と現れる事はないでしょう□
    シービーと同じく、キーストンの物語も、永遠に受け継がれてほしいです

    2012/02/21 22:52 ブロック

  • りょうへいさん

    >>ブンブーンさん

    こんばんははじめまして□コメントを頂き、お褒めの言葉まで頂いて光栄です□
    競馬は、確かに馬を走らせて人間の賭け事に使っているという、目を背けてはいけない事実があります
    馬は、人間が思う以上に賢く、物事を考えられる能力があると思います
    ただひたすら、走らされている競馬で、人と馬の絆を信じたいだからこそ、夢とドラマが生まれるんだと□
    言葉を超えた、人と馬の結び付きがあると信じています
    これからも、よろしくお願いします

    2012/02/21 22:34 ブロック

  • コタチャンさん

    こんばんは?(^O^)/聞いた事があります…馬が脱臼して騎手が投げ出されて…痛々しい光景ですよね…でもその後キーストンが山本騎手の元に戻って行く…これこそ人馬一体ではないでしょうか(^O^)/落馬で負傷と言うと福永洋一氏を思い浮かべてしまいますが…騎手は生死が隣り合わせ…馬も骨折してしまうと最悪の場合は予後不良…安楽死…ですよね!一番良いのは全馬が無事に走り終える事…ですね!最後に僕のアルバムに素晴らしい物を写しておきましたから?見てくださいね?

    2012/02/21 21:48 ブロック

  • ふ|_tilda_|さん

    こんにちは


    ポロポロ涙が落ちてますが

    このお話はアンビリーバボーで紹介されたようですね

    私は見てなかったのですが

    生き物好きな同僚が見ててやはり泣いたそうです

    美談だ 脚色だ と言えばそうかもしれません

    が、やっぱり私にとっては競馬はロマンです
    トウショウボーイとシービークイン 同級生の初恋の結婚

    そんな事あるわけないわな

    と、私も思いますが いいんですそれで

    人が作ったドラマ
    そこには馬を愛する人のロマンが存在する

    私はそう思います

    いつもみんなが無事でありますように…
    そう祈っても過酷な調教とレース
    事故がない訳ないですね
    ダメな馬は馬肉に
    それが競走馬の運命
    それでも人はサラブレッドを作り馬は走る
    まさに絆ですね

    りょうへいさん良いお話をありがとうございましたm(_ _)m

    2012/02/21 13:06 ブロック

  • ブンブーンさん

    う?ん、いい話だね?(´▽`)

    キーストンか♪

    馬も人間の都合で上に乗られて走らされてムチで叩かれて賭けの道具にされても走るしかない

    気持ちが無い様に思えるが、人に対するでも何かを持ってるのかもね( ̄ー ̄)

    いい話をありがとう(*^∀^*)ノ

    2012/02/21 11:01 ブロック