とある日の出来事 第5話

あれは今から10数年前、夏の日の電車内での出来事。その日俺は例によって池袋に買い物に出掛け、その日の夕方に当時の彼女と新宿で待ち合わせ約束していた。しかし、その時間までまだ時間に余裕があった。少し歩き疲れてたということもあり、俺は山手線外回り(逆回り)でゆっくり座って少し休もうと考えた。
乗った電車の座席はほぼ満席、俺は唯一空いていた座席に腰を降ろす。ふと隣に目を向けると、友達の結婚式にでも参列したのか、ﾄﾞﾚｽ姿の女性がｺｯｸﾘ、ｺｯｸﾘと気持ち良さそうに寝ている。
しばらくするとその女性の頭が俺の肩に触れるようになってきた。決して悪い気がしなかった俺…それが大きな誤りだった。更にしばらくすると、女性の頭は完全に俺の肩に…それでも、
起こしちゃ可哀想。俺も悪い気しないし…
とそのまま肩を貸していたら…肩が冷たくなってきた…うん？と思い、その冷たい箇所を見るとなんと！その女性は俺の肩によだれを垂らしながら寝ている！
どうする？さりげなく肩を揺さぶる？それともこのまま？そうこうしている内に電車は品川到着…そんなことも露知らず、その女性は(゜ロ゜)！と目を覚まし慌てて電車を降りていってしまった…(;゜∇゜)…俺の肩の湖のようなシミ…どうしてくれる？！と思わずにはいられなかった…うっすらシミを着けたまま、何事も無かったように、彼女に会ったけど…何か、申し訳ない気持ちで一杯だった…。