ミホノブルボン回顧 　ミホノブルボ

ミホノブルボン回顧

　ミホノブルボン、懐かしい名前をニュースで見た。
こういう場合、基本的に悲しいニュースだ。
今回も同様。
ミホノブルボン夢をありがとう。

この馬の最初の印象というか、思い出は

坂路２９秒台

これでした。

当時、イクノディクタスが３１秒台で、ときどき３０秒台に入る。
そのぐらいの時計でした。

最初、３歳（現２歳）が２９秒台連発！と聞いたときに
西谷さん曰く「時計壊れとるんちゃうかい？」でした。
つまりそれほど驚異的でした。
また、坂路調教ばかりで連勝するブルボンに困った顔をする
関係者もいっぱいいました。

というのは、当時関係者の多くは坂路に懐疑的な人が多かったからです。
なぜか？
理由は、こうだと思っています。
「面倒だったから」
うそだと思うかもしれませんが、これが当時の栗東の関係者です。

衣斐さんは坂路ができて、これを活用すべきという考えでしたが、
とにかく坂路調教をしてくれない。
いろいろ理由を言われましたが、結局時間がかかるからとしか思えなかった。
うちの親父は、厩舎とは別に助手や厩務員に残業手当？支給するからと
言ったがそれでもいかなかった。

毎日行っていたのは、戸山厩舎とか、実績が上がっていなくて坂路に
一縷の望みを託したような厩舎ばかり。
（これはある関係者から聞いた。けっして私や衣斐さんが言ったわけじゃあない。笑）

とにかくそんな坂路であったが、ある意味坂路調教を広めた最大の功労者が
ミホノブルボンだったように思う。

ちなみに坂路調教の開拓者は、西谷さん曰く
「浅見調教師が逍遥馬道で始めたのが栗東で最初」だそうです。
浅見調教師は先代の浅見先生です。
西谷さんの師匠です。つまり、JRAからすると厄介な人だったわけです。笑
他に、アシックスの馬服とかゴム手綱も浅見先生の発案だそうです。
確認していません。違っていたらごめんなさい。
あくまで西谷さんから聞いただけです。

閑話休題

とにかくブルボンのおかげで坂路調教が人気になった。
坂なんかなかった美浦にも無理やり坂路を作った。

美浦に坂路をもたらした　ミホノブルボン！
どっかの誰かは平地に山を作ってぼろ儲け！
ダービー勝つよりも儲かったと思いますよ。
真偽のほどはわかりませんが、関係者はミホノブルボンを供養してください。笑

イクノディクタスがオールカマーで作った日本タイレコード。
これを一週間後の京都新聞杯でタイレコード出しやがったミホノブルボン。
せっかくオグリキャップのレコードを破ったのに！笑

驚異の競争成績だったミホノブルボンでしたが、
繁殖成績はさっぱりでした。

最大の理由は、社台グループに行かなかったことだと思います。
異論はたくさんあるでしょうが、
ブルボンは個人で繁殖していたと思います。
衣斐さんが
「いかにブルボンでも繁殖牝馬を集めるのに苦労するぞ」って
言っていたことを覚えています。
結果、そのとおりだったんでしょう。

社台グループに否定的な人は多いようですが、
種牡馬にとって一番重要なことは、良い繁殖牝馬と数多く巡り逢うことです。
残念ながらミホノブルボンはその機会にめぐり合えなかったのではないかと思います。

馬主もたしか共同馬主だったような。
自信はないですが、中京だったのでうちの親父から聞いたのか
個人じゃなくて１０人ぐらいの共同出資だったような気がします。
※これも自信ないです。
　ただし、愛馬会ではないです。馬主が集まっての共同馬主です。
　誤解のないように。


ミホノブルボンのおかげで、懐かしいことをいっぱい思い出しました。
ブルボンありがとう。
天国までの坂路レコードを更新してくれることを期待しています。