園田・摂津盃を見た。さすが川原正一。

園田・摂津盃を見た。さすが川原正一。

　いやさすが川原正一。お見事。

　園田競馬なんぞ、何の興味もない。中学生のころ親父に無理やり連れて
行かれて、一度行ったことがあるだけだ。

　スタートは、川原にしては大して速くもなくて、押して押して２番人気の馬の
騎手にうまくあきらめさせた。さらに、その後コーナーで巧みに２番人気の馬を
外外をまわらせるように仕向けていた。
　結局、２番人気の馬は外を回らされたのが最後に効いたように見える。
つまり川原が意識して、２番人気の馬をつぶした甲斐があったというわけだ。
　正直相変わらず上手いなあ、と思う。後続有力馬に外を回らせるために
インはぽっかり開いていた。もしも一枚上手の奴がいて、仕掛けを遅らせて
インを回っていると、危なかったのかもしれない。しかし、完璧を期すことは
難しく、どっちを優先するかで、外からくる奴らに距離損をさせるほうを選んだ
のだろう。
　ゴール前、しばしばアナウンサーが計ったように差しきりました。とか言うのだが、
計ってるに決まっているだろうが。といつも思う。公営でも、JRAでも、外国でも
一線級の騎手は計っているに決まっているっていうの。そうじゃなければ、
リーディングなんて狙えないよ。
　当然、川原は３、４コーナー中間で仕掛けたときにゴール前の様子を想像
していたはず。（その通りになるかどうかは別にしてね。）

　想像で言うのだが、おそらく大部分の競馬ファンはそんなこと、まったく考える
こともなく、ただ勝ったとか負けたとか言っているのだと思う。　
　私にしても２０代の頃にはさっぱりわからなくて、よくトンチンカンなことを言って
北橋元調教師に「この素人が！」って言われていた。
待てよ、最後に「この素人が！」って言われたのは、ジェンティルドンナの岩田が
オルフェーブルにぶつけた後のハッピーバレー競馬場だ。ということは、ずいぶんと
長い間言われ続けたな。笑
　
　ちなみに、今日のような小回りコースの外外へ追いやるのを教えてくれたのは
川原正一騎手です。小回りコースの笠松では、そうやって力のある馬に細かく
消耗させていく。逆の場合はいかに消耗させずに自分の競馬をするのかを
考えて騎乗するのだ。と教えていただきました。
　私は中間で聞いただけで、本当に彼が伝えたかった相手は北橋先生の
お弟子さんが笠松の交流戦で、あんまり下手に乗るので、こそっと先生に
伝えてくれ。という話でした。（さすがに本人に直接は言えないとのこと）
　なにせ当時の笠松は、馬は安い馬ばかりでしたが、騎手は、アンカツ、川原、
安藤光彰、ずーと下へいって柴山など賞金が安いのに騎手は上手い奴が
何人もいる世界でした。

　それにしてもレース後、検量に向かう姿は年をとったなあという顔でした。
まだまだ現役で頑張って欲しいと思います。まあ少なくとも柴山には負けないで。
笑

　久しぶりの川原正一のレースに興奮したのと、先日の藤田菜七子騎手との
比較が理解してもらえるとうれしいです。
　ただ藤田騎手のころには川原騎手はまだコパノキッキングのような素晴らしい
馬に乗せてももらえなかったし、フェブラリーSのようなビッグレースにも乗せて
もらえなかったはずで、藤田騎手は批判されながらも上へ上へ行って欲しい
と思います。