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2012/05/21 23:56

先日、福永騎手がでている5分ぐらいの短い

先日、福永騎手がでている5分ぐらいの短い番組を見ていました。(テレ東の22時54分からのやつ)
そこで福永騎手の競馬感が語られていました。それを聞いて違和感なく受け入れることができました。
そこで、すぐに気がつきました。
福永騎手も私も師匠が同じだから、そこからの思想があって、違和感がないのだと。

 早い話が、北橋元調教師の競馬感が弟子の福永騎手にも私にも受け継がれているだけだと感じました。馬について語ったことも、騎乗について語ったことも以前、ずっと以前に北橋先生から教えてもらったことでした。
 例えば、騎乗について。私は当時現役だった柴田政人騎手について、「柴田、柴田っていうけれど、どこがうまいのかさっぱりわからない。」って北橋先生に堂々と言ってのけました。(なにせ怖いもの知らずなので)
 すると、「お前が見てるのは、一頭の馬とその騎手のフォームだのだけを見ているだろ。競馬は一頭でするわけじゃない。追えるとか追えんとかそんなのはほんの一部だ。レースでは、他の騎手が内へ行くのか外へ行くのかとか、こいつは待つのか行くのかとか判断を要求されることがたくさんある。そして、何よりも駆け引きがある。それが難しいし、それが出来る騎手はレース成績がまるで異なる。」というような趣旨のお言葉を頂戴した記憶があります。実際関係者の間では、北橋先生の駆け引き上手は有名で、「修ちゃんと話し合ったら、もう負けとおんなじ。現役の時もやめてからもとにかく駆け引きがうまい。」っていうような言葉を何人もの人から聞いた。言葉としては、福永騎手はそれをちゃんと受け継いでいる。ただレースでの駆け引き上手は受け継いていないよなあ・・・。
昔昔、「先生どうですか、勝てそうですか?」と尋ねると、「わしが乗ったら絶対勝つけど、乗るのは祐一だからなあ。地元(香港)の騎手やデットーリが乗ったら、まず間違いなく勝てる出来だぞ、馬は。」って
言われたことがある。それが記者会見での「不安は屋根だけ」という先生のセリフになった。

 それから、福永騎手がこんなことを言っていた。「ファンのみなさんは、最後の直線をすごく期待している。でも、それまでにほとんど決着はついてしまっているです。」
 これも昔、北橋先生にも最狂の厩務員さんにも同じことを言われた。「追えるとか追えんといっても、直線までにどれだけ脚を残して連れてくるかだからな、ほとんどは。」どこの誰だろうと脚を使い切ってしまった馬を渡されても、最後の直線ではもうどうしようもない。当たり前の話だけど。

 昔、北橋先生が何人かの若い騎手に言っていた。
「4コーナーはゴールじゃないぞ」って。
若い騎手は往々にして、4コーナーでの位置取りに脚を使ってしまう。そうすると、当然勝てるはずはない。でも、若い子はよくやってしまう。

 ちなみに福永騎手のデビュー戦で北橋先生はこんなことを言ったはずだ。
「祐一、今日は2レースで必ず勝てるから、1レース目はどこを通ったらいいか、確認してこい。」
おそらくこんなことを言ったはずだ。あの日本人に確認したので間違いない。先生は、笑いながら
「よう知っとんなあ。当たったか。」
「もちろん、1Rも2Rも。」
これは、何かというと。2レースに必ず勝てるぐらい
強い馬を用意しておいた。でも、最初からこれを当てにすると、しくじる。だから、1レース目に普通に乗れば、勝てる馬を用意してあった。で、指示は、
馬場を見てこい。だった。
つまり勝とうではなく、焦って脚を使ってしまわないように「馬場を見てこい」って指示をだし、楽に4コーナーを回ってこれば、勝てる。さらに、1勝して楽になった後、さらに強い馬に乗るのだから、当然2レースも勝つ。先生は最初から祐一にデビュー2連勝をプレゼントするつもりだったのだ。だから、私はそれを馬券にした。競馬法には触れていません。聞いたわけではなく、(聞いたのは事後、レースが終わってからの夕食のときですから)、そういうであろうことをまさに予想して、馬券を買いました。

 ああいうのも含めて、騎手の読みってのが大切なのだとあのときも思いました。
 ちなみに北橋先生の兄弟子境勝太郎調教師の弟子、現在の小島太調教師も騎手のとき、明らかに他の騎手に聞かせるためのコメントがときどき(大きいレースになると)載っていました。それをみると、もしかすると、あのやり方っていうか駆け引きは、松元調教師のところから始まっているのかなあ、なんて想像したりするのですが、さすがにそれを確認したことはないです。

 それにしても、競馬感が受け継がれていくっていうのがテレビを見ていて、とてもうれしく思いました。

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