さようならミスタートウジン ミスタート

さようならミスタートウジン

ミスタートウジンが逝ったらしい。
その記事を図書館で見てしまった。
そしたら、涙が出てきた。
他の馬が他界したときも、悲しかった。でも、涙は出てこなかった。
今回は、言葉だけではなくて、本当に涙が止まらない。
ゆっくりとだけど、涙が次から次へと出て止まらない。

図書館なので、いい年こいたおっさんが泣いているのは不気味だ。
さらに理由を中国語で説明するのも面倒なので、
こっそり涙をふきに行っては、帰ってきて書いている。（アホだ）

昨夜ふと考えた。
「俺が一番好きな馬って？」と。
一番好きな馬は、やっぱりトウジンだな、と思った。
他人の馬なのに、でもトウジンがやっぱり一番好き。
で、「今頃トウジンはどうしているかなあ・・・元気かなあ、元気に決まっているさ、
まだ若いもの。」と考えていた。

それが今日トウジンが逝った記事を見てしまった。
死因が老衰。
14歳まで現役で、27歳で老衰か、勘定が合わないと思う。
だって、まだあまり余生を送っていないぞ。
体だって、少なくても14歳までは若かったし・・・。
こんなことなら、ずっと現役でやってもらえば良かった。
そしたら、今頃休養から帰ってきて、調教していただろうに。
27歳ならいくらJRAのハンディキャッパーがひどくても48KGだろう。(笑)
でも、最狂の厩務員さんもとっくに定年しているので、誰も持ってくれなかったか。(笑)

藤立さんのところの馬なのに、実は一番数多く触ったことがある馬だった。
藤立さんのところの馬なのに、私は彼のことを本当によく知っていたと思っている。（自称だ）
藤立さんのところの馬なのに、自分とこの馬にもやったことないこともした。
　（詳しくは、あと１０年ぐらいは言えない。(笑)）

素人の私にも触れる馬は、トウジンしかいなかった。
高齢馬かつ人気馬なので、よく人に慣れていた。
私の密かな計画では、トウジンが引退したら、藤立さんから買い取って
ミスタートウジンに乗って、中国から草原の道を通って、ヨーロッパまで旅をするつもりだった。(笑)
でもトウジンが藤立さんのおかげで、めでたく種牡馬になった。
おかげでこの計画は、パーになった。（幸いだった。）

ミスタートウジンはダートも得意な馬らしく立派な胸前をしていた。
人間で言うと、フルコン空手やっている奴の大胸筋みたいな感じだった。
だから、よく拳でトウジンの胸前を叩いていた。(笑)

腱を痛めていたので、レーザー治療器を当てるのをやらせてもらったこともある。
うちの馬用の漢方薬を密かに飲んでいたことも知っていた。(笑)

ダンディコマンドのデビュー前、調教をよく走る馬がいなかったので
トウジンが相手をしてくれたことを覚えている。
脚が痛いのに、手加減を知らない若馬の相手をしてくれた。
直線で２秒以上ちぎられて、ご立腹だったかもしれない。
「わしがあと５年若けりゃ、お前なんぞに好きにはさせん。」と思ったかもしれない。

イクノディクタス・ミスタートウジン合わせて出走１００回記念で
イクノディクタスは安田記念２着に来た。
１０１回記念では、宝塚記念２着に来た。

ミスタートウジンは、JRAでは「昭和最後の競争馬」になった。

百戦錬磨の競争馬には、１戦だけ届かなかった。
でも、未勝利で１００戦とか、未勝利で連闘記録を作っているような馬たちと比べてもらいたくなかった。
だって、バリバリのオープン馬。
当時ダート重賞が少なかっただけで、ミスタートウジンの値打ちは当時のファンがよく知っている。
フェブラリーステークスだって、４回出ている。
特に最後の１９９９年なんて笑ったぞ。
アナウンサーが「４年ぶり４回目の出走ミスタートウジン」って。
友達が言った。
「４回出走も普通できなきゃ、４年ぶりはもっとできない。(笑)」って。

他にも
誘導馬よりも年上の出走馬ってトウジン以外に見たことあるか？
同じレースの人気馬たちのお父さんよりトウジンは年上だったこともあるぞ。
引退レースに予定していた黒船賞を除外されてしまったけれど、
引退レースになった銀嶺Sで、14歳なのに斤量６０Kgだったんだぞ。