あてがわれた「女」

某新聞の競馬欄の記事に「世界で一、二のジョッキーにお任せ」との見出しが調教師の顔写真と共に踊っていた。「ラキシス」のことである。エリザベス女王杯で騎乗するのはライアンムーア、現在世界一の呼び声も高い一流ジョッキーなのは間違いない。間違いはないが武豊を応援するものとしては面白い見出しではない。前走どういう事情かわからないが、京都大賞典でキズナを負かしたラキシスの騎乗依頼が舞い込んだ。結果は３人気４着と確かに結果を出したとは言わないが当日は馬体重も大きく減らしており体調が万全とはいかなかった。そもそも、武豊は今更そういう意味での「結果」をださなければいけない立場のジョッキーだろうか？結果は４着だが、本番を見据えれば悪くない前哨戦であり、何より、「２度の目のユタカ」は馬の癖を掴みかなりの前進が期待できる。なのに本番は外国人で！実際どのようないきさつがあったかは分からないが正直腹ただしい限りである。
そもそも角居センセイは騎手はオーナーサイド任せで口を挟まないようにしてるらしいが、そもそも騎手を軽んじ過ぎではないかと思う。多分去年エアソミュールが毎日王冠を勝ちながら本番に向かわなかったり、ラキシスにムーアが乗るのは生産者側の都合だろうと想像する。それはあなたたちに権利があるわけだから、構わないがそれなら、わざわざ叩き台にユタカを使わないでいただきたいと思う。今年はこのままだとJCも乗鞍がなさそうである。ここでラキシスが勝てばやっぱりライアンムーアの名声がまた上り、ユタカが日本人騎手の評価が下がる。ならば、無理は承知でここはノボリディアーナに期待をしようと思う。ラキシスを奪わられあてがわれた女と言っては彼女に失礼だが、ここは全力を持って騎手を変えたことを陣営に後悔させていただきたい。
そういう言わば奇跡に近いことを成し遂げなければ武豊の本当での復活はならないと思う。少なくともラキシスは前走負けていてこちらは勝って臨むわけであるのだから是非とも一矢報いていただきたい。