二人の大物逝く・・・・夏はいつも休んでいるのだけど。

四年ぶりの騎乗停止。オーバーカムでまさにオーバーしてしまったのだが、最近のユタカでは本当に珍しいこと。中京あたりからリズムも悪くつくづくだなと思っていたら父邦彦氏の訃報が飛び込んできました。もしかしたら、オーバーカムはいや、天は彼に喪に服する時間を与えてくらたのかもしれません。
自分は高齢ながらもまだ両親は健在で、自分の親を亡くすということが、理解できても実感はできてないと思います。
ましてや、同じ職業であり時には憧れであり、先輩であり、先生でもあったわけですから、一般の親子関係より密度も濃く、胸に去来するものも多いのではないかと思います。
それでも邦彦氏の人生はとても幸せでなかったかなと思います。
騎手としても一流であり、調教師としてもＧ１を勝ち、そして何より競馬会の至宝とも言える武豊を送り出したわけですから、弟の幸四郎騎手を含め何も思い残すことなく安らかに眠りにつけると思います。ご冥福をお祈りします。
もう一人の大物はこちらは若い競馬ファンなどは知らない方もいるかもしれませんが、最後のカリスマ予想家と言われた清水成駿氏も亡くなりました。
騎手の個性が無くなったと言われる昨今ですが、それは競馬予想家もそうです。昔は一癖も二癖もある予想家がたくさんいたものでした。その中でも一際異彩を放っていたのが清水成駿でした。
特に彼はその文筆力は群を抜いていて、いざ大勝負だ！という時は彼のコラムを読んで、気持ちを沸騰させて競馬に臨んだものでした。彼には競馬を通しての哲学があり、世相を読み解く力があり、それを十二分に伝える表現力がありました。マカヒキに打った◎が彼の最後の予想となり、的中馬券となってしまいましたが、もうあの語り口を聞けないと思うと寂しい限りです。競馬の予想には的中させることよりも大切なものがあることを教えてくれた予想家でした。ご冥福を祈ると共に、ＪＲＡはもっと広く競馬を盛り上げてくれた人々に目を向けて欲しいものです。予想家の訃報をＪＲＡのニュースで取り上げたっていいじゃなうですかねぇ。淋しいことです。