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2016/12/02 02:36
お見事というよりも。
直線騎手の追い出しに見事に反応して後続を突放せたキタサンブラックが強い勝ち方をしたJC。さすが!と思わせられたのはみな経験豊かなジョッキーで、正直ゴールドアクターのレース振りには少しがっかりした。
当たり前の話だが、レースに出る馬は常に二つのものと戦っている。一つは他の馬、つまりライバルで、もう一つは自分自身。自己との戦いだ。ただし、己に勝っても必ず勝利できるわけではない。己に勝っても相手が上回ればそれまでだ。しかし、自分自身に勝てなくては絶対に勝利は掴めない。そしてそれはほぼ騎手に圧し掛かってくるものだ。それを分かりやすく言えばプレッシャーと言うのだろう。だから、大レースになればなるほど、勝てる可能性が高ければ高いほど、そして競馬はここに人気も加わるので、相当なプレッシャーになるはずだ。
競馬がどうすれば?盛り上がるか。これは簡単で1番人気の馬がそれに応えて勝つことだ。しかし、それがことG1となると中々難しい。今年、これまで中央の平地のG1は18レースあり、その内で1人気が勝ったのはたった6レースであり、古馬に限ればわずかに3レース。騎手は福永、ルメール(2)、池添、デムーロ、ムーア、武の5人でどれだけそれが難しいことかを表していると思う。ゴールドアクターは確かに有馬記念を勝っているがその時は8人気である。
今回は最終的に3人気まで落としていたが、それでも有力な候補だったと思う。しかし、レースではライアンムーアの正攻法の奇策に圧されたしまって、位置取りも、仕掛けも、コース取りも全て一完歩遅れた印象だった。確かに馬体重増も影響があったのかも知れないが、5着に負けたムーアの騎乗が賞賛され、4着に終わった吉田隼人に批判が集まるのは何もネームバリューだけではなく、出し切った感の違いもあると思う。勿論、予め誰が乗るか分かっている以上馬券が外れたとしてもそれを騎手の責任に転嫁するのはナンセンスだが、ことレースに限って言えばやはり敗因は騎乗にあることもある。隼人騎手に厳しい言い方になってしまうが、ゴールドアクターに乗ってるのがムーアだったら少なくとも人気は逆転していた。ムーアだからみんな期待をして2人気になり、どこかに不安があるから3人気に落ち着いたのだと彼には感じて欲しい。そしてそれを乗り越えなければ、彼を信頼して乗せ続けてくれる関係者に申し訳ないと思うのだ。
僕は吉田隼人に期待をしている一人して、今回の彼のレース後のコメントには納得がいっていない。春天は形だけ無理やり作って直線はずるずる後退した。今回は目立った騎乗ミスはないが、あの乗り方では100回やってもキタサンブラックには勝てない。ちゃんと負かしに勝負にいかなければダメだ。有馬記念はここで勝ち負けのレースにならなければ次は違う騎手が跨ってると思って強い気持ちで乗って欲しい。福永騎手にも同じことが言える。彼は間違いなく一流のジョッキーだが、今週のコラムを読むとだから大レースで勝負弱いのだと思ってしまった。ま、その話しはまたの機会に。
今週も武豊が恐らく1人気でG1に挑む。勝てるかどうかは相手がいることだからわからないが、間違いなくこれで負けたら仕方ないと言うレースをすると思う。彼が1人気でG1に臨むとき、彼はきっと勝つことしか考えていない。負けたら?なんてことは微塵も思わないから1人気で臨む大レースに強いのだと思う。