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2019/05/13 00:14
ヴィクトリアマイル回顧
世の中で難しいのは一度出来てしまった流れを変えることだ。
自分のように捻くれ者で長いものには巻かれるのが嫌いな人間は何とかその流れに逆らおうとあがくわけだが、それは得てして成功することはなく濁流に飲み込まれてしまう。今回のレースもその象徴のような結果に至ったわけである。
そういった潮流に逆らおうと言うのは別に自分のようなファンだけではない。現場で奮闘し、主流からはみ出してしまいそうな当事者はもっと切実だろう。
しかし、きっとそういうものも含めて飲み込まれて行くのが「流れ」の怖いとこでもあるのだろう。今日のレースは各々がそれなりの決意と覚悟を持って望んだと思うのだが、結果としては全員で今までの流れを維持させるようなお膳立てをしてしまった結果になった。
1600Mのレコード更新はレースそのもの厳しさを表している。個人的にはアエロリットがスタートダッシュを決めたアマルフィコーストを押しながら交わして先頭に立った時に敗戦を覚悟した。1000M通過は56秒でいくら今日の良い馬場でも早すぎる。昨日の1400Mの京王杯よりも早い。そのレースだってレコードだったのにである。
こうなると問われるのはただのマイル適正ではなくなる。勝ちに行った馬は全部潰れる展開だ。その展開がノームコアの底力を引き出したのは間違いない。結果、ノーザンファーム生産馬の流れも、外国人ジョッキーに席巻される流れも変えることは叶わなかった。こういう展開を予想できなかった自分が未熟だったのも間違いないが、その展開が結果ノームコアが勝つ為のお膳立てになったのも間違いない。
しかし、そこにはダミアン・レーンという若干25歳の若者の手腕も見逃せない。ノームコアが使った上がりは最速ではない。同タイムも含めると3頭がこの馬より早い上がりを使っている。つまり絶妙なタイミングで追い出している。しっかりコースの特性を掴んでの騎乗だと言える。特にオーストラリアの騎手としては珍しくペース判断に優れている。持って生まれたものなのかも知れない。それでもそれに負けない日本人ジョッキーの活躍を願っている。
さて、来週も懲りずに流れに逆らうぞ!