第86回日本ダービーレース回顧　おいらと将雅の反省会

終わってみれば１枠１番のディープインパクト。抑えられなかったのは心に余裕が足りなかったからだろう。

今日のレースの流れは、出遅れを挽回できるレースの流れではなかった。とてもタフな競馬になった。

皐月賞で２着、３着だった馬が３着、２着に来ているのだから、やはり敗因は出遅れとその後に早めにポジションを取りに行った事にある。一昨年のレイデオロのようにペースが落ちたところで動ければ良かったが、１番人気があのタイミングでお仕上げてしまうと周りも動かしてしまうからペースに淀みができなくなってしまう。もちろんスタートを決めてダノンキングリーの位置で競馬をしていたら勝ち負けだったろう。あの程度の出遅れで勝ちを逃していたらディープインパクトなんて何度負けてたかわからない。そこまでのレベルではないとも言えるし勝てたレースを落としたとも言える。
ダノンキングリーは逆にサートゥルナーリアの位置なら勝っていたんじゃないかなと思う。完璧なレース運びに見えるかも知れないが完璧だと勝てないのが強いディープインパクト産駒の特徴とも言える。あれじゃ皐月賞と一緒だ。距離が少し長かったのも事実だがもっと一瞬で交わすような競馬をしないと今後も善戦の山を築くことになるのかも知れない。ま、某予想かたちの斤量が重すぎたのかも知れないが。

さて、おいらと川田将雅は大いに反省をしなければならないレースだった。多分本人も自覚し反省をしているとコメントからは感じられた、ダービーを取りに行ったのか？それともサートゥルナーリアを倒しにいったのか？どうやら後者に傾き過ぎたようだ。
川田はサートゥルに出し抜けを食らわすのではなく追い比べで勝つ方を選んだ。明らかに直線でサートゥルが来るのを待っていた。今日の出来は素晴らしかった。ポジションも悪くなかった。きちんと前を追いかけて捕まえに行ってれば勝てたと思う。２着３着も３強で締めてたかも知れない。敵に勝ってレースに負ける。川田将雅らしい負け方だ。サートゥルナーリアが仕掛け遅れる可能性を考えながら将雅の性格を見切った予想ができなかった。ダノンとヴェロックスから流しながら抜けてしまった。ダービーを取れなかったのは悔しい限りだ。

ロジャーバローズがダービー馬になれたのは、リオンリオンの横山武の若者らしい清々しい大逃げと、自分のレースに徹したこと。それとやはり競馬の神様は最近の傾向を危惧されていたのかも知れない。勝ち馬がノーザンファームの生産馬であることすら許されなかった。小さい生産牧場がディープインパクトを種付するのはまさに清水の舞台から飛び降りるような気持ちだろう。しかし、頑張ればどんな小さな牧場にだって夢を叶えるチャンスがあることを証明してみせた。多くの思いを繋ぐダービーの勝利だった。ミホノブルボンがかつてダービーを制したような夢は令和になったこの時代にも息づいている。

そう言えば最近ディープインパクト産駒が結構ダートでも活躍が目立って来ている。鬼門と言われた春の天皇賞も克服した。ダービーもここ10年で5勝だ。
本当の後継になるディープを超えるディープインパクト産駒はこれからなのかも知れない。