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2019/10/28 01:41
第160回秋の天皇賞回顧録 草食系の優しい男の子
第160回の秋の天皇賞はアーモンドアイの圧勝に終わった。圧勝だったが楽では無かった。弱点が克服できた訳ではないみたいだが、そこは同じ鞍上。良き理解者がいるのは心強い。一つ言えるのはもう少し外目の枠だったらもっと楽に勝っていた。騎手こそ関西所属のフランス人だが、馬は関東所属。そのフランス人も関東の常連。戸崎騎手はやはり殆ど制裁も無いようにジェントルマンであった。多くのリーディングを賑わした騎手が制裁を恐れて?数字を落とすなか、それでも7年も連続で100勝あげられるのはその人柄も大きいのだろう。もし、クリストフに何かあればアーモンドアイの依頼は彼に行くのが自然だろうと思う。
一方2番人気に押され打倒アーモンドアイを一手に引き受ける形になったサートゥルナーリアとスミヨンにとっては1番考えられる悪い結果となってしまった。物事を表面でしか見ない人はこの結果を受け、実は大したことないだとか、世代レベルが低いだとか騒ぐのだろうが、サートゥルナーリアが今回のメンバーでアーモンドアイを倒す可能性のある1頭であることは何も変わらない。
そもそも追われてから、いや直線を向いてから一度も神戸新聞杯と同じフォームで走っていない。残念ながら力は発揮されなかった。それも強さのうちだと言えば反論の余地はないが、強さと能力は別なのだ。
サートゥルナーリアは自分が見てきた中だとトウカイテイオーやグラスワンダーと被る。最近で言えばイスラボニータも近いかも知れない。彼は草食系の優しい男の子。繊細なのだ。それなのに栗東では見たこともないような大男の外国人に乗られ、横では鬼の形相で馬体を合わされギシギシゴシゴシするよく見かける小男に挟まれてすっかり意気消沈。ダービーの時もそうだったが、勝てないとわかると諦めてしまうところがある。もっと気分良くのびのびと優しくエスコートして上げないと。だから、ユタカが合ってるんだけどなぁ。人の都合が花開くはずの才能を台無しにする事もある。馬体ももう少し絞れた方がいい。この血統はレース前は少しカリカリしてれくらいの方が集中して走れる気がする。でも有馬も出ればスミヨンなのかなぁ?クリストフがダメならミルコに戻す方がいいと思うけど。彼は馬を励ますのが上手いジョッキーだから。
ダノンプレミアムは今回も王道川田の競馬。悪く言えば安定の善戦。ただ、まだこの馬にとってどう言う競馬がベストなのか?見つけられていない気がする。マイルチャンピオンシップに行けば勝ち負け。京都は得意。
アエロリットは本当に頭が下がる馬だ。持てる力を決して余すことなく、諦める事なく頑張る。サートゥルナーリアとは真逆の女の子。やっぱり馬も男より女の方が精神的にタフなのかも知れない。コースを譲らなければ2着もあったかも知れないのにそれでも抜いた相手を追いかけようとする。お嫁さんにするならこういう子がいいだろうね。
しかも戸崎騎手は自分の印象ではそんなに逃げが上手じゃない。今回も対抗にしたのは勝つのは難しいと思ったから。東京コースで差す競馬をさせたら多分一番上手いと言うか追い出すタイミングを間違えない。つくづくダノンキングリーが残念だった。今年ならアーモンドアイとも良い勝負が出来たと今でも思っている。
結局はアーモンドアイの強さだけが印象に残った天皇賞。口取りは行われず珍しい撮影会となった。大事をとってのことなのだろうが、それはつまりこの後何もなければジャパンカップへ!そしてJCを勝てば有馬記念へと挑戦し秋の古馬の三冠ボーナスを狙いに行くということかも知れない。有馬は勝てば現役続行で海外でラストランを。負ければその場で引退が決まるのかも知れない。果たしてどのような馬ならばこの天才少女に勝てるのか?今日もまるで調教でも済ませたようにゴール後も涼しい顔でたたずんでいた。