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2020/10/19 14:00
第25回秋華賞レース回顧と菊花賞展望
第25回秋華賞は見事にデアリングタクトが牝馬史上初の無敗での三冠を達成した。デアリングタクトと松山弘平は考えられ得る最善の騎乗をしたと思う。
やはりターニングポイントは秋華賞と同条件の7レースの敗戦だろう。3番人気と上位を狙える馬で露骨に馬場状態と後方からの競馬を試した。この結果が騎乗ぶりに影響したように思える。
直前のレースで楽に逃げ切り勝ちをした川田騎手のリアアメリアはスタートもその後もあまり積極的に進んでいく気配がなかった。しかし、対デアリングタクトを考えての前哨戦だったろうし、川田騎手はかなり積極的に促してポジションを取りに行った。それでも想定していた2番手まで届かず見ていてこの時点で今日の敗戦は覚悟しなければならない内容だった。
それと真逆とも言えるレース振りをしたのがデアリングタクトだった。多分7レースの結果からも今日の馬場では流石に直線だけの競馬では間に合わないと感じてたと思う。強い馬にそれをやられたらという正攻法に近い競馬だったと思う。ライバルたちからすれば最終コーナーであの位置にデアリングタクトがいることは想像していなかったのでは?と思う。マジックキャッスルだけが何とか食い下がり、あとの有力馬は早めに仕掛けたデアリングハートに飲み込まれてしまい、遅れて仕掛けた馬が3着争いをする結果になった。改めて三冠馬に相応しいレース振りで得た栄光だと思う。松山騎手も始めて?思い通りのレースがこの馬でできたのではないかなと思う。
競馬にタラレバは意味がないのは百も承知だが、今回の結果を受けてやはりそのタラレバを運というものを感じぜずにはいられない。
そもそもこの強いはずのデアリングタクトに桜花賞で本命を打たなかった理由は持ち時計がなかったからだ。レース振りからも血統的に見ても早い決着での勝負に疑問が残っていた。あの桜花賞もパンパンの良馬場だったらレシステンシアを捕まえることはできなかったと思っている。そしてオークス。進路がなくなり外に持ち出せず仕方無く内に切り替えしたわけだが、あれで大外に持ちせていたら多分内をついていたウインマリリンを捕まえきれなかったも知れない。そしてもし?直行で秋華賞に向かわずローズステークスステップレースに使っていたらあの日の馬場では勝ったリアアメリアに後塵を拝しスティルインラブのような結果になっていた可能性もある。そして今回も前日に馬場は不良まで悪化していた。自分が本命に押したマジックキャッスルだってあまりこういう馬場は得意でないし、騎手も大野騎手は十分に達者な騎手だが、ことG1レースでの経験特に勝つまでを考えれば浜中騎手の方がテン乗りよりも力は引き出せたかも知れない。それも騎乗停止によって乗り替わりとなっていた。
これだけのタラレバの果てに史上初の無敗の三冠牝馬達成は成し遂げられている。それは決してデアリングタクトの偉業達成にケチをつけているわけではなく、歴史的快挙というものにはそういう必然的偶然の力も重ならなければ成し得ないものだなと改めて感嘆させられたという話しだ。
これで、コントレイルの三冠いよいよ難しくなった。
ここまでデアリングタクト同様無敗を誇るコントレイルだが、一番違うのは勝利にタラレバが見当たらない。それは真の強さの証明かも知れないが牡馬は無敗での三冠も史上初ではないことも含めて「何か?」の後押しを受けることも難しい。もし?一つあるとすれば父ディープインパクトの急死と真の後継者の誕生と言うことくらいだろうか?本当に本当に強くないと無敗での三冠達成は難しい。歴史は多くはないが、無敗での三冠制覇はその後もほぼ負けないことを表している。そこまでの運?があのオーナーにあの調教師にそしてあの騎手に残っているのか??大変に興味深い。
相手関係もデアリングタクトほど恵まれていない。言い方は悪いが秋華賞はマジックキャッスル程度でも相手が務まるメンバーだった。しかし、菊花賞はどうだろうか??昨日のBS11ではライバルがいないのもチャンスだとテカテカに顔を光らせながら某競馬記者が、コントレイルの三冠達成確率は95%だと高らかに宣言していたが、自分の現時点でのジャッジは良くて50%程度だと感じている。残りの5%は馬場の悪化した時の未知数だと言っていたが、これだけ能力が高くなると寧ろその方が有利に働くことのほうが多い。しかし、それすらも望めないと思う。多分コントレイルの道筋を振り返るとそんなことは許してはくれないと思う。多分良馬場だろう。それでも力だけで三冠をもぎ取れるのか?とても興味深い。
特に今回はライバルがいる。ライバルにとってはサリオスがいないことが有利に働くと思う。
前門の虎、後門の狼。それを負かす獅子になるのか??楽しみは尽きない。