第40回ジャパンカップレース回顧

世紀の決戦と言われた今回のジャパンカップはそう呼ばれるのに相応しい熱戦となった。
３強で一番に先頭に躍り出たのはやはりアーモンドアイであった。
今までの戦績を振り返ればこの時点で他の馬のチャンスは皆無に近い。破るとすれば徹底的にマークをして頭の上げ下げに持ち込むしかないと思っていたが、流石はクリストフルメール。そうはならないコース取りと追い出しのタイミングで他馬にスキを与えなかった。着順や着差ほどアーモンドアイと力の差が有ったわけではないと感じたが、だからこそ力で捻じ伏せることも叶わなかったとのだと思う。何かアーモンドアイに能力を発揮させない策が勝つ為に必要だったのかも知れない。

これでアーモンドアイの年度代表馬は確定だろう。しかし、それはここにデアリングタクトとコントレイルが出てきてくれたおかげな訳で、しかもっきっちり２着と３着に来てくれたことはより価値がある勝利になったと思うし。伝説になって語り草になるレースが競馬ファンに一つ増えたんじゃないかなと思う。

自分らが思うよりこの時期の３歳と古馬とではまだ大人と子供くらいの基礎体力の差があるもので、能力差がなければ体力差で古馬が有利でありその結果がルドルフやディープの敗戦の一因だと思っている。弱いから負けたのではなくて若いから負けた。まだまだ２頭にもアーモンドアイを超えるチャンスが無くなったわけではないと思う。

特にデアリングタクトは牡馬の一線級と戦うのは初めてでお客さんを入れたスタンド前発走で入れ込みの心配もあった。状況によっては凡走もあり得るかと思ったが最後まで諦めないでよく３着に届いたと思う。この斤量で走れるのは今年だけで勿体無いとも思ったが、来年は十分に牡馬とも渡り合えると思う。

そしてコントレイルも今後は一旦お休みに入ると思うけどその後こそは負けてはならない戦いが始まるのだと思う。今年は短い間隔で秋３戦目で本当に体力的には辛かったと思う。それだけに果敢に２着まで追い込んできた姿にはちょっと感動すら覚えてしまった。
良い３強対決だった。そしてワールドプレミアもこれからに期待できるレースだったと思う。