ゴールドアクターを思い出したソダシの敗戦。第24回秋華賞レース回顧

かつて有馬記念でゴールドアクターを本命にして良い年末を迎えさせて貰った事があった。しかし、逆に人気になったゴールドアクターを蹴って良い思いもした事もある。人気とは難しいもので、個人的には穴馬を勝たせる事よりもきっちり人気の馬で勝つ事の方が難しく、総合的なジョッキーの腕も問われると思っている。
自分が知る吉田隼人というジョッキーは物静かで大人しいイメージだけど芯が強くてちょっと頑固な所がある競馬に行くと強気な面が出るジョッキーだと感じている。
それが、ちょっと実力より人気がない時は良い方向に出てゴールドアクターの有馬記念のような事も起こるし、人気馬に跨がれば今回のソダシ様なことも起こりうるのではないかなと思う。
簡単に言えば自分の腕で馬を勝たせようと言う気持ちが良い方にも悪い方にも出てしまう。ちょっとムキになる所があるように見える。
今回は普通に見れば特に問題のないソダシらしいレース運びに見えるのだろうなと思う。調教師が後から足して付けたような歯が折れて出血していたの真意は別として(自分は基本的にこの調教師を信用してないので)、自分がレースを見返した限りではソダシの意に反したレース運びに見えた。それは彼が最初に自分が考えた位置取りやレース展開に拘り過ぎたのでは？と思ったからだ。

多分、吉田隼人は最初からエイシンヒテンを自分が捕まえに行くと決めていたように思う。彼はスタートに関わらず2番手を取りに行った。しかし、そこでソダシに火がついてしまってかかり気味になっていた。確かにエイシンヒテンが4着に粘った事を考えると間違ってなかったように思われるが、それは結局1度もソダシがエイシンヒテンを交わせなかったから残れたのだと思う。

この展開を今回上位に来たそれぞれリーディング経験のあるジョッキーたちはしめしめと思っていたのではないかなと思う。ソダシは今回のレースで1度も自分の気持ちで相手を交わそうと思って走っていない。その証拠？にソダシはポジションを取りに行った後はレース中は1頭も前の馬を交わせる事無く負けている。まるで、オークスの再現を見ているような負けた方だった。

クリストフは多分どんな馬に乗っている時でも、絶対に勝たなくてはならないと思って乗っていることはないように思う。絶対に勝てるとは思っているが、その馬のベストを出してそれでも勝てないなら仕方ないんじゃないかなと。それは吉田隼人とクリストフルメールとでは立場が違うので仕方無い所もあるとは思う。二人ではチャンスの数も違うし、次が約束されていない人間はどうしても結果を出さないと言う気持ちになる。それを自分は調教師やオーナーがフォローするべきだと思っているが、基本須貝先生はプレッシャーをかける事しかしないタイプで、自分の非は認めない。ま、あくまで個人的な見解ではありますが（笑）

それでも吉田隼人がもう一皮剥けて一流の仲間入りをしたいならそこは克服して欲しいと願っている。自分は今回のレース吉田隼人がスタートを見て3番手でもいいやと思っていたら、勝っていたか？は適性から分からないが少なくともこんな凡走はしていなかったと思っている。
彼に試練は続く。今週も同厩舎の馬で菊花賞に臨まなければならない。人気も押し出された一番人気になる可能性もある。そこで気持ちを切替えて良い意味で開き直ったレースが出来るか？それとも今度こそと力んでしまうのか？それが結果に大きく影響すると思っている。

自分の見立てではステラベローチェには3000はちょっと距離が長いと感じている。自分で動いて行くようなレースを選択してしまう2週続けての惨敗も有り得る。ただ、ただ、この馬の持ち味を100％発揮させる事だけを考えて騎乗して欲しいと思う。馬は120％は走れない生き物なのだから。

アカイトリノムスメの戸崎騎手は良い方向に腹を括った乗り方が出来ていたと思う。これで負けたら仕方ないという騎乗馬を信じた乗り方だった。
展開の隙を上手く付いたのは福永騎手だったように思う。あわやの展開だった。また、一番レース展開を読み切ったのはクリストフだったように思う。もし、ソダシがもう少し頑張っている展開だったら勝ち馬はこちらだったかも知れない。
ソダシはこれで競馬を嫌いにならなければ良いなと思う。

吉田隼人も自分を責めるばかりでなくこの経験を前向きに捉えてくれたらと思う。今つかもうとしているチャンスとポジションを逃したないの気持ちはよく分かるが、焦れば焦るほど逃げていくものある。そんな事を感じた第24回の秋華賞でした。長。