第84回菊花賞レース回顧

今回の菊花賞を語るならまさしく適性を問われたレースだったと言える。
オールマイティにこなせる馬はいても万能な馬は中々いない。1600mから2400m辺りなら距離適性以上に能力が上回っていればそれを感じさせないレースも行えるが、グンと短かったり、ずっと長かったりするとその適性を問われることになる。
勝ったドゥレッツァは今までのレースよりもより適性があった。あんなレース振りで突き放されたのでは、もう3000m超という距離では少なくとも同世代で太刀打ち出来る馬はいないだろう。競馬に絶対は無いとは思うが、こと今日の菊花賞に関しては少なくとも10回やったら9回はこの馬が勝つと思う。予想する側からして残念なのは同世代のトップクラスと手合わせが無かった事だろ。強いのではないかと思っても比較が難しく、本命に推すには難しかった。
２着のタスティエーラはそれこそオールマイティなマルチタイプの馬だと感じた。今日のテンションでどうなるか？と思って見ていたが、そつなく乗ったモレイラにそつなく応えたといった感じだった。操縦性の高さはこれからも武器になるし、来年の有馬記念辺りならリベンジも可能かも知れない。
本命に推したソールオリエンスは返し馬の様子では少し心配になったが、それでも最後に３着に来たのは底力だろう。しかし、いつもの爆発的伸びはなかった。2000〜2400ｍあたり迄が能力を発揮出来るのかも知れないが、今後の成長力次第だろう。少し伸び悩んでいるように思えた。主戦も含めて。
期待したいファントムシーフは残念ながら、サトノグランツと共に距離が長かったと言わざるおえない。位置取り、少しコスられた4コーナ辺り以外は完璧なレースだったが、脚は残っていなかった。来年は毎日王冠からマイルチャンピオンシップ辺に行ってるかも知れないが、有馬記念ならワンちゃんあるかも知れない。
結果を見ると前残りのような競馬に見えるが、それははじめにも書いたが適性の差だと感じた。
ディープインパクトの一流産駒がいない世界は(数年後にドゥラメンテ然り)一昔前の競馬に戻ったのかも知れない。さて、勝ったドゥレッツァはこの後有馬記念に行くのか？年内は休むのか？今日のようなレースを見せつけられては、それもクリストフとイクイノックス次第となるのかも知れない。