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2012/01/11 23:15
雪の日経新春杯
日経新春杯を迎えると今でも思い出すのがテンポイントのエピソードである。自分もリアルタイムの記憶があるわけでないが、当時はまだテンポイントやトウショウボーイの話題が取り上げられることが多かった。
その日京都は酷く冷え込んでいた。極寒の馬場に現れたテンポイントの斤量は何と66.5?。実績からすれば当然のハンデであったが67?なら回避と言われていた。そんな無謀とも言える形でこのレースに出場した理由は海外遠征を行う前にもう一度テンポイント見たいというファンの声に応えてのものだった。しかし、酷量も杞憂に終わり楽勝かと思われた瞬間、テンポイントは後ろ脚から崩れるように倒れこみ騎手は馬場に放り出された。涙を誘ったのはその後のテンポイントが騎手の鹿戸を気遣うような庇うような仕種を見せたからであった。鹿戸騎手は怪我で乗れなかったダービー以外最後まで手綱を握っていた。馬場には小雪がちらついていた。
テンポイントは本来すぐに安楽死処分されるような状態であったが異例の手術となり存命に全力が傾けられたが蹄葉炎になり死亡した。最後まで安楽死はされず自然死だったという。今も故郷の吉田牧場の墓標の下深い眠りについている。天馬と言われたトウショウボーイとの再会を果たしたのであろうか。