続　素人？教師の台頭。前編

続編の前に断っておきたいのですが、今回の日記は普段の競馬界に対する僕のフラストレーションを書いてるに他ならない。「自己満日記」に他なりません。お読みになる方はそれを踏まえてお読みいただけたらと思います。

さて、表題の「素人調教師」の素人がさす意味であるが、これはレースでの「騎乗」つまり騎手としてを指している。故に調教技術のことではない。現在調教師のリーディングベスト１０のうち、騎手出身の調教師はわずか２人だけである。（2012，6/3現在8位と10位）もともと調教師試験はかなりハードルが高いと言われている。そこで、昔は１０００勝以上した騎手は一番難しい１次試験を免除される特権があった。しかし、今はその制度も廃止され現役、特に一流と呼ばれる騎手ほど調教師への転向が難しくなっている。多分公言はしていないが、第一人者の武豊も引退後は調教師にはならないだろうなと思われる。すると現在の多くの調教師はＪＲＡの厩務員過程を経て、調教助手などから調教師になる人が圧倒的に多い。勿論、騎手から転向する調教師よりも競走馬の育成にも長けていることが多い。さて、急に話しが変るが今のサッカーの日本代表やＪリーガーにはキャプテン翼に憧れてプロを目指した人も少なくないという。一昔前なら巨人の星を見てプロ野球選手を目指した子もいたのかも知れない。勿論それは競馬界にも当てはまる。今の若手には武豊に憧れて騎手を目指した者も多いだろう。と、なると調教師を目指した人は何の誰の影響で考えると、ひとつ思い当たることがある。多分、ここで競馬を楽しんでいる人でもかなりの人が体験したことがあるゲーム。ダービースタリオンの存在である。ダビスタは、生産者兼馬主が基本ベースだが、その気になれば調教師も兼ねられる夢のゲームである。みんな素質が有りそうな馬だけは自分で調教をつけ、さらに騎手にまで指示を出したのではないかなと思う。かつて、ペルーサでお馴染みの山本オーナーが藤沢厩舎に馬を預けた理由をダビスタで一番勝つ厩舎だからと言っていたが、その真意の程は別としてそんな話しが出てくるくらい競馬に携わる者には馴染みが深いゲームである。実は調教師の中にダビスタに夢中になった人がいたっておかしくないし、悪くはないと思う。ただし、それはゲームと現実の境目がきちっと分離できればである。しかし、最近の調教師の発言を聞いているとこかこの人ゲーム感覚じゃないの？と思うことがちらほらある。まずは、やたらに「作戦」という言葉を使う。もちろんレースに臨むにあたって作戦があって悪いわけではない。しかし、本来作戦とは上手くいっても失敗しても語るべきものではない。そして、やたらに騎手への位置取りなどの指示が多い。しかし、一度もレースをしたことがない調教師たちにどこまで騎手のことが分かるのだろうか？と思う。かつて、まだ厩舎に勢いがあった頃の森調教師は武豊に指示を出した事がない理由について、「だって、僕は一度も競馬に乗った事がないから、それはプロにお任せするのが一番だと思う」と語っていたが、その謙虚さの微塵もない。自分の指示通りにすれば、負けては責めもしないし、勝っても指示通りでなければ乗り替わりが待っていたりする。調教師はオーナーの、騎手は調教師の顔色ばかり伺っていて閉塞感でいっぱいである。武豊への騎乗依頼が減っているのも成績ばかりが原因ではなく、そんな事情も裏にあるように思う。武豊に乗り方の指示を出せるのは今や一部の先輩騎手だった調教師だけだったりする。しかも彼が乗れば実力以上に注目を集め人気になる。かつてのようなスーパー豊ちゃんでもない限り彼に騎乗依頼するメリットは少ないと言えるだろう。これが一昔前で、もう少し余裕があった時代ならば、武豊の競馬界への多大なる貢献に感謝して何とか彼を支えよう、助けていこうという雲気もあったかも知れない。しかし、そんな男気のある馬主や調教師は今やほんの一部でしかいない。それどころか、見せしめにしているようにさえ感じてくる。あの武豊でも馬を回さなきゃこうなるんだぞ？とばかりにである。