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2012/03/10 17:27
ディープインパクト産駒の謎に迫るその4「血は水よりも濃し」
ディープブリランテ、ジョワドビーヴル、ワールドエース、それにアダムスピークまでが敗戦をきっし、3戦以上して無傷なディープインパクト産駒はほぼ全滅してしまった。まだ2勝馬の中にそうならない可能性の馬もいるかも知れないが、皆が落胆を覚えたには変わりないだろう。しかも鮮やかな勝ちっぷりと無様までの負けたかたのギャップが大きく、連日掲示板でやれ成長力がないだ、騎乗ミスだ、仕上げが悪いだ、或はそのフォローで賑わせている。 しかし、そのどの人の頭にもあるのは去年、つまり初年度産駒の成績と言うか有り様だろ。ダノンバラードにマルセリーナ、リアルインパクトと春のG1戦線を賑わせはしたが、尻窄みの結果に終わった感は否めない。今や各地で善戦マンとして活躍をしている。勿論、オルーフェーヴルと言う強力な主役がいたわけだが、しかし、その唯一のライバルと言えるウインバリアシオンもハーツクライ産駒だ。絶対的であった父親に比較するのもあれだが、ファンからすれば納得いく成績ではなかっただろう。しかし、僕自身は初年度産駒がややスピードの勝ったマイラー傾向なのは大成功する予兆のように捉えていた。それは子孫に与える絶対的スピード値が高いと感じたられたからだ。よくノーザンテーストも屑を出さないと言われたが、少し難しい言い回しになってしまうが、下限が高くて平均値が高いと言うことは その上限もまた高いと言うことである。 あくまで可能性の話しでしかないが、父親クラスの馬もそのうち出てくるのではないかと感じていた。そして、2年目のスタートはその予感を予測に押し上げるような活躍振りであった。しかし、ちょっと疑問もあった。それはそんなに名馬が一度に沢山生産されるはずはないだろと言う視点からだ。平均的能力が高いディープインパクト産駒のことだ。デビュー戦辺りでは他の産駒を圧倒してもおかしくはない。今、JRAではやたら近代競馬150年をフューチャーしているが、そこまで遡るまでもなく、3冠馬と言うだけでも僅数頭しかいないわけで、それは世界も同じことである。「本物を見極めなくてはならない」そう言う気構えで2歳馬たちの活躍を見ていた。前回か前々回か忘れてしまったが、二世代目の血統の難しさに触れた。スペシャルウイークやダンスインザダーク産駒がダービーをとっていない件だ。実はこの2頭の血統構成には似た部分がある。母親がノーザンダンサー系と言うだけでなくニジンスキーを血統構成の中に持っている点だ。スペシャルウイークのように母父マルゼンスキーと言う産駒にはかなりの活躍馬がいる。同じノーザンダンサー系でも底力の押し上げが違うように感じていた。マルゼンスキーはちょっと競馬をかじった人なら何度かは耳にしている名前だと思う。その当事はまだ持ち込み馬はマルガイ扱いだった。そしてクラシックに出走権がなかったこの馬は凄まじいまでのポテンシャルを見せつけ無敗のままターフを去っていったが、その能力の全てを見せたわけではないだろう。産駒もサクラチヨノオーがダービー馬になるなど産駒の活躍によって顕彰馬になったわけだから、成功には違いないがブルーメドサイアのそれに比べれば些細と言っても過言ではない。そのマルゼンスキーの父がイギリスの3冠馬ニジンスキーだ。ニジンスキーは未だにノーザンダンサーの最高傑作との呼び声が高く、(13戦11勝2着2回、11勝は11連勝)さらにその3大産駒と言ってよいのが、カーリアン、ラムタラ、マルゼンスキーだと言える。ラムタラも種牡馬としては冴えなかったがブルーメドサイアとしての活躍は期待できるのかも知れない。さてそう考えると益々その産駒にどの系統をつけたらいいか…難しくなってしまう。しかし、1頭の牝馬の活躍がそのヒントになるのではないかと思う。ブエナビスタだ。ブエナビスタはスペシャルウイーク産駒だが、母親がカーリアン産駒であり、ノーザンダンサーのクロスと言うよりはニジンスキーのクロスを持っている。ニジンスキーのクロスを持っている馬はそうは多くないだろう。また、ヘイルトゥリーズンのクロスも持っている。(実は今年もこの組合せの馬もいます。今、あまたにいるディープインパクト産駒に足りないと感じる底力。それを血統構成から見破ってみるのも一つの面白みかも知れない。(ちなみにディープインパクトは5代クロスのないアウトブリード。素晴らしい!が兄弟は走らない(笑))
とここまで書いてきてなんだが、実はこの長い血統の話がディープインパクト産駒の直接なぞだと言うわけではない。あくまでバックボーンだ。次回は最初からそこだけで良かったんでないの?と言う突っ込みを覚悟しつつ、今後のディープインパクト産駒の活躍の予想も含めてまとめたいと思う。
つづく