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2013/03/23 02:22
キズナ
自分は捻くれている方なので、エコだとか、地球にやさしいだとか、絆とか、そういったものが苦手である。大震災以降「絆」というワードが世の中に飛び交う機会がとても増えたように思う。
もちろん、そこにある純粋な思いを否定する気持ちはないが、世の中あまりに失いそうになってから気づき、慌てることが多いように思う。そもそもエコなんてのもエコにしなければ大変なことになるという状況に追い込まれてしまってから騒いだものだ。そう言った意味では何も無い平凡な日常に叫ばれるものこそ尊く意義深いのではと思ってしまう。「絆」も頼りにしなければならない状況になってから築くのではなか、日常からそうである方が美しく尊い。そう言った意味では今週毎日杯に出て来る「キズナ」より、2004年に無名の牝馬として走った「キズナ」の方がネーミングへの思いは尊いのかも知れない。もし、このグラスワンダー産駒の牝馬が大活躍をしていたら今ここに「キズナ」は誕生していなかったことになる。JRAではG1を勝った馬は確か同じ名前を登録することが出来ないからだ。だから、2代目?キズナも歴史に名を残さねばいつか3代目の登場を許してしまうのかも知れない。しかし、そんな「キズナ」でも競馬史に残るような活躍をすれば、遠い遠い時間が流れてもあの大震災からの復興を思い出す大いなるきっかけとなり得るかも知れない。今の僕らと未来の競馬ファンの絆を繋ぐような馬になれる可能性はあるのかも知れない。僕は反感を得るのを承知で書くと、佐々木厩舎で佐藤哲三騎手のコンビでクラシックに向っていったなら、善戦するも多分栄冠には届かなかったと思う。少なくともそこまで強さが抜けた馬ではないからだ。しかし、キズナ→ディープインパクト→サンデーサイレンスと振り返った時にそこにあるのは「武豊」という絆だ。これから100年は大繁栄を続けるであろうサンデーサイレンス系が語られる時その申し子としてきっと武豊も語られることになるだろうと思う。彼は決して器用な騎手でもないし、天才肌で感覚で乗る騎手でもない。試行錯誤しながらその馬の長所を引き出し短所をカバーすることに優れた騎手である。違う表現をすればとても馬を育てることに優れている。ちょっと前で言えばセナよりプロストタイプ、今で言えばベッテルよりアロンソタイプだと言える。F1わからない人ごめんなさい。豊はもうキズナで2回も負けている。一度は手探り、しかし二度目は確信を持って手綱をとったはずだ。しかし、着差はともかく着順は5着と大きくこの馬の戦績に傷をつけてしまった。前走、もうダメだと思う所から急激に伸びた。あと50メートルあれば多分全馬交わしていたに違いない。この馬はサンデーサイレンスの仔だなと感じた。もちろんそうではないけれど、大外をま回せばそれでいいんだと思う。きっとユタカも気が付いた。明日がG1じゃないのが残念。明日キズナは今までで最も強い勝ち方をする。武豊にしか出来ない乗り方で。