宝塚記念３　関東馬期待の星フェノーメノ

一生かかっても取り返しのつかない鼻差。追って追って追って喉から手が出る程欲しかったダービーのタイトルを手にしたかと思った刹那、ほんのわずか先にディープブリランテの鼻づらがゴールに届いていた。蛯名の悔しさは涙になって表れていた。そして、その悔しさがあったからこその春の天皇賞制覇だったと思う。あくまで噂レベルの話しだが、ＪＣ後は外国人騎手への交替も検討されたとか・・・。そして春の天皇賞を進言したのも蛯名騎手と聞く。まさに背水の陣で臨んだ結果だと言える。その春の天皇賞はとても見応えがある一戦だった。最後は同期であり、東西を代表するＪＲＡ生粋のジョッキーによる凌ぎ合い。もう一杯に見えたフェノーメノだったがそこからグイっと伸びてラーに並ばせるとこまでいかなかった。東京でも中山でも無難に結果を出せる自在性がこの馬の大きな武器だろう。今回は１番人気の可能性もある同馬だが、３強では一番格下という事になるのだと思う。勝ちきれなかった秋天と底力の違いを問われる結果になったＪＣ。日経賞の勝ち方は鮮やかだったが、ゴールドシップの有馬記念のタイムには届いていない。勿論、この馬だって去年から大きく成長していると言えるかも知れない。それでもゴールドシップが５着に負けた春の天皇賞の勲章だけでは（２着に負かしたならまた価値が違うが）３強の仲間入りするには十分とは言えまい。しかしここで名実ともに同世代最強に立つチャンスが訪れた。フェノーメノが強い馬なのは分かる。しかし、まだ正直どれくらい強いのか？は未知数だ。そしてそれがこの馬の最大の魅力。ペルーサが逃した関東馬の星にフェノーメノは輝けるのか？
最近、顔と騎乗スタイルがが一致してきた（笑）鬼気迫る騎乗が光る蛯名騎手の手腕にも期待したい。