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2015/02/23 10:15
僕なりのフェブラリー回顧録
人生とは決して平等ではない。若き日の武豊を見て何度も感じた言葉だった。それ位彼にはジンクスも何も関係なかった。彼はF1ドライバーに例えるなら古くはアイルトン・セナ、いまで言えばセバスチャン・ベッテルのようなタイプではない。古くはアラン・プロスト、いまで言えばフェルナンド・アロンソのようなタイプだと思う。彼は馬に乗るのが人より優れてるのではなく、レースをすることに長けているのだと思う。ただし、見逃してはいけない才能が彼にはある。それは発信力だ。これがあるからこそ、優等生タイプは得てしてカリスマ性やスター性に欠けてしまうものなのだが、それを備えた多分少なくとも自分が生きている間には決してお目にかかることはできないような競馬史上最大のスターなわけなのである。しかし、そんな彼もディープインパクト以降まるで普通の人ように運不運に左右されるようになってきた。誤解を恐れないで言うならば、あの大事故だって、自分が知る武豊なら遭遇するはずがなかった。サイレンススズカの時だっていつだって彼はそんなアクシデントの時でも無事に馬上にいたのである。それは単なる偶然の連なり、「たまたま」の一言で解決してしまう話しかも知れないけれど、そうは感じさせない凄味が彼の軌跡にはあり、それを解釈するには「天才」とか「豊マジック」と言う表現を用いるしかなかったなだと思う。しかし、自分の知る武豊に最も似つかわしくない言葉は「天才」ではないかなといつもその見出しが躍る時思うのだ。そんな簡単な話ではないと。
さて、これはフェブラリーステークスの回顧録なわけだが、どうしてそれが前述したような話しと関係があるのかと言うと、それは今回のリッキーがフェブラリー初連覇を成し遂げた馬だからである。僕は田辺騎手も馬券を買う時は必ず抑える位贔屓なジョッキーなのだが、申し訳ないが彼が乗っていたら多分連覇は達成出来てない。それ位ジンクスの壁と言うのは高いものだ。そして、昨日の勝利を見てスーパースターだった頃の武豊が少しだけ帰ってきたように思えた。また、その事の重要性を誰よりも武豊本人が意識していたように思う。多分キズナのダービーの時以上に珍しく緊張していたのではないかと思う。あんな感じの武豊を見たのは無敗の三冠が掛かったディープインパクトの菊花賞以来じゃないかなと思う。その緊張感が微妙にリッキーに伝わりスタートを遅らせ、しかし、ここ何年かの彼の苦難が慌てずに2番手で折り合わせ、最後はリッキーと自分を信じて早めに追い出して掴んだ輝ける勝利ではなかったかと思う。しかし、まだまだ完璧ではない。今週はこの1勝だけ。また、キズナが3着に負けた時は前日に3勝していた。そんな運の量に左右されないのが武豊!まだまだ凡人の領域だ。
昨日必死につかんだものがなんだったのか?それがキズナでの凱旋門制覇に繋がるようなものだといいなと思う。春天もダービーも宝塚も勝って凱旋門も勝って有馬記念も勝ったならば完全復活と言えるかも知れない。それは流石に無理だろと多くの人は思うかも知れないけれど、それを成し遂げても何の不思議も感じさせないのが僕が知る武豊なのだ。そうでなくては埋められない悔しさの塊りがこの数年にあったと思う。高みにいたほどその落差も衝撃も強く、また上るのも険しいものだと思うから。殆どの人間がその栄光を忘れられずに去っていくのだが、彼は天才ではないが故にまたその頂を登り始めることができたのではないかと思うのだ。
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じゃんぽけさん
かずさん。コメントありがとうございます。そうですね。僕もそう思います。連覇の連は間違いなく田辺騎手の功績です。彼は「勝負」が出来る良いジョッキーだと思います。馬券はローマンが3着以内に来てくれたら的中だったんですが。今回は出来が良かったと思います。1発狙っての最内なんだろうけどダートだし外に出しても良かったと思うのですが。どうでしょう?
僕はそんなライバルになるスペ産駒に乗る武豊が本当は見たいんだけどなぁ。 -
きんぐかずさんがいいね!と言っています。
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きんぐかずさん
昨日の豊さんの落ち着きはさすがでしたね。今年は豊さんでなければ連覇は出来なかったとボクも思うんですが、去年は田辺君でなければ勝ってないかも知れませんね。田辺Jはいい騎手ですよね。
そういう意味では馬も強いけど馬主も持ってますよね!風水勉強しよっかな(笑)
ローマン君も頑張ってくれたのでちょっと悔しいけど、勝つなら豊さんであって欲しいと思いました。
春天、宝塚、また豊さんをライバルとして見なければいけない。これほど手強い敵はいない、だからこそ楽しみです。また来ます。 -
ライチさんがいいね!と言っています。