I'm The Swimmer 北島康介選手　Final 1/2

２０１３年世界水泳バルセロナ

日本のエース入江陵介はひとり苦しんでいた。
その実績が故、周囲の期待が重荷となり、
金へのプレッシャーで自らを追い込んでいた。

８月２日　２００ｍ背泳ぎ　決勝
いつもの通り、前半をセーブし、３番手で１５０ｍをターンする。
ここから追い込みライアンロクテを捕える。

はずだった。

いや、体調・メンタルが平常であれば間違いなく捕えてロクテときわどい
争いになっていた。

見ているこちらが信じられない。
ラスト５０ｍで捕えるどころか、うしろから抜かれるのを初めて見た。

４位。

インタビューの松岡修造氏も明らかに動揺していた。

以下、入江選手談。

１００パーセントでない状態だったし、なんとなく孤独も感じていた。
いろいろな悩みを抱えていてどんどん自分を追い込んでしまった。
この１年『引退』という２文字をずっと頭に持ちながらやってきた、
正直いまは何も考えられない。

銀のたびに悔しがり、
次こそはと思い続けてきたことが、
メダルをも逃してしまったことにより、
一気に気持ちが切れてしまった。

この段階で私は、
メドレーの出場ができるのか、
心配になった。