秋華賞分析　 ステップレース・勢力図編

ここ2年紫苑S組が絡んでいるが、傾向としてはローズSをステップとした馬が圧倒的に強い。過去10年の3着以内に入った馬30頭中19頭がローズS組。コース形態を考えると中山1800ｍの紫苑Sの方が直結しやすいイメージなのに、実際にはTRの出走メンバーの違いが大きいのだろう。ただ紫苑SがG3になった一昨年以降では3頭が秋華賞で連対中。この傾向は今後変わっていく可能性はある。


春の実績馬と夏の上り馬との関連性。
近年は桜花賞と秋華賞は直結しているイメージがあまり無く、桜花賞連対馬が秋華賞で連対したケースは過去10年で17年リスグラシュー(2着)、12年ジェンティルドンナ(1着)　ヴィルシーナ(2着)、10年アパパネ（1着）、09年レッドディザイア（1着）のみ。　秋華賞3着以内、あるいは桜花賞で3着以内という条件に広げても14年ヌーヴォレコルト(2着)、11年ホエールキャプチャ(3着)、09年ブエナビスタ（2位降着で3着）で、合計8頭しかいない。ただ過去10年の括りを外すと97年のメジロドーベル、キョウエイマーチを始めとしてファレノプシス、テイエムオーシャン、スティルインラブなど意外と揃っている。


そもそも秋華賞は桜花賞に出走していない（条件的に出走できなかった、故障していたという理由）という馬の好走例も多く、特に勝ち馬限定で見ても初代秋華賞馬のファビラスラフィンをはじめとして、ブゼンキャンドル、ティコティコタック、ファインモーション、カワカミプリンセス、アヴェンチュラ、ショウナンパンドラ、ミッキークイーン、ヴィブロスなどがいる。


対してオークス連対馬がどこまで秋華賞に直結するのかを見ると、15年ミッキークイーン(1着）、14年ヌーヴォレコルト(2着)、13年メイショウマンボ(1着)、12年ジェンティルドンナ(1着)　ヴィルシーナ(2着)、10年アパパネ（1着）、09年レッドディザイア（1着）。秋華賞3着以内の条件にすると17年モズカッチャン(3着）、09年ブエナビスタ（2位降着で3着）が加わり合計で9頭となり、桜花賞好走組と比較しても大きな差は無い。…と言うか、この中で桜花賞でも好走していた馬は6頭。桜花賞、オークスの連続好走した馬の信頼度は高めという事が言える。


ただ桜花賞、オークスどちらにも出走経験が無くて、秋華賞で好走した馬は過去10年で16年ヴィヴロス(1着)、同パールコード(2着)、同カイザーバル(3着)、15年マキシマムドパリ(3着)、14年ショウナンパンドラ(1着)、同タガノエトワール(3着)、13年スマートレイアー(2着)、12年アドマティコ(3着)、11年アヴェンチュラ(1着)、同キョウワジャンヌ(2着)、08年プロヴィナージュ(3着)と11頭。勝ち馬は3頭しかいないし、2着は3頭、3着に入った馬は5頭。意外と頭数が多いのが特徴。


ちなみに過去の秋華賞3着以内に入った馬すべてを調べても、桜花賞、オークスのぢちらにも出走経験のない馬は上記の過去10年の11頭に加えて、96年1着ファビラスラフィン、98年2着ナリタルナパーク　99年1着ブゼンキャンドル、同3着ヒシピナクル、00年1着ティコティコタック、同3着トーワトレジャー、02年1着ファインモーョン、同2着サクラヴィクトリア、同3着シアリアスバイオ、05年3着ニシノナースコールの9頭加わって合計20頭になる。（過去22年の3着以内の馬66頭中20頭が桜花賞、オークスに出走経験なし）


ステップレースと春からの勢力図という視点からの結論は、桜花賞、オークスの連続好走馬を中心にして、2.3着狙いで桜花賞、オークス共に出走経験が無い馬を狙うのが良いと思われる。