スプリンターズＳ　2020　回顧　（簡易版）

グランアレグリア　1着　ＳＭ１

出負けに加えて行き脚つかずという感じで後方からの。しかも序盤は追走に苦しむような感じで前とは結構離れた後方2番手。ペースは速く位置取りを上げることの無いまま4角から直線へ。直線序盤で外に持ち出して追い出しを開始。まだ前との差は大きかったが、先行勢の脚色が鈍った残り1Ｆから鬼のような末脚を繰り出して一気に差し切り勝ち。ゴール前では追うのを止める余裕で2着に2馬身差のまさしく完勝だった。
　

出負けと序盤の追走で一杯の雰囲気からも厳しい結果になるように思えた。しかし結果的にかなりのハイペースで追走に苦労しながらも、後方にいた事がむしろ幸いしたような感じ。序盤から五分に出てこの前半の厳しい流れを無理してでも追走していたらこの脚は使えてはいないはず。しかし最後の1Ｆは前が止まったとは言え見た目にも数字（ラップ）的にもちょっと桁外れの内容。
　

ダノンスマッシュ　2着　Ａ３

出負けしたがすぐにリカバーして好位の内目追走。3角過ぎから前を追いかけるように動いて行って、4角手前で外目に持ち出して進路の自由を確保。4角から外から押し上げて直線に向く。直線半ばで追い出されるとグイグイと前との差を詰めてはきたが、残り100ｍ付近で外から猛烈な追い上げを見せた勝ち馬に何の抵抗も出来ず抜き去られる。しかし自身は最後までしぶとく伸び続け、ゴール前で内にいたミスターメロディを捉え、さらに大外から伸びて来たアウィルアウェイの追撃を封じて2着を確保。
　

出負けした瞬間終わった感もあったが、すぐさまリカバリーが効いて好位の内を確保できたのは大きかった。さらに自身より外にいた馬に速い馬が無く、道中包まれることなく4角までこれたのも大きい。展開的にもこの馬向きの流れでありこれで勝てなかったのは痛いが、それ以上に勝ち馬の方が適性が高かったという事だろう。この流れであの行為を追走しながら…という点で見ると相当頑張っていると言える。ただ序盤で出遅れずスッと好位を確保して序盤で脚を使う事が無ければ…という見方も出来なくはない。だが最終的に2馬身差の内容なので完敗と言う事で納得するしかないだろう。

　
アウィルアウェイ　3着　ＳＭ２

発馬五分から控える感じで最後方待機策。激流の中を前に勝ち馬グランアレグリアを見るようにさらに2馬身後方を追走。4角手前になって本格的に追撃を開始。4角から直線は大外に出して追撃に入るもまだ最後方。残り1Ｆでも最後方だったが、ここから前が止まったタイミングで一気に差を詰めてゴール前では2着馬に詰め寄る感じで3着。
　

序盤から死んだふりの最後方待機策が嵌った感じ。終始最後方だったので分かりにくいが、坂の下りを利用してスピードに乗せたまま直線に向いて、そのスピードを維持したまま最後まで来た感じ。最後の1Ｆだけ切れる脚を使ったのではなく、使っている脚そのものは結構長いように思える。この感じだとやはりコース適性がモノを言う馬なのかもしれない。
　

ミスターメロディ　4着　Ｍ２

発馬五分から中団前目の位置で追走。3角で少し仕掛けてインから押し上げて好位集団に取り付き、4角から直線入口にかけて上手く外に持ち出してくる。直線序盤でスッと反応して単独2番手に押し上げ、さらに逃げるモズスーパーフレアを追いかける展開。残り100で逃げるモズを捉えて先頭に立ったところに大外から勝ち馬の強襲に遭う感じ。自身の脚も一杯になったゴール前で一気に2.3着馬にも交わされて結局は4着まで。

　
終始内を立ち回ってロスを防ぎ、直線序盤でスッと反応して伸びて来たあたりは完全なこの馬のパターン。それでも3角過ぎから脚を使っていった分だけ最後の1Ｆで脚色が鈍った感じはある。もう少し緩い流れならば後半の余力もあっただろうが、このペースを追走して…というのは結構厳しかった感じはある。この馬向きの流れではない中で自身としてはこれ以上に出来ることが無いというくらいの完璧な内容。完敗だが致し方ない所だとは思う。