『栄光への架け橋』

年２回、我が家は狭い庭の手入れを植木屋さんにお願いしています

そこの植木屋の爺ちゃん

来る度に脚立を忘れて帰ります


そんなんで

今、我が家には

脚立が

3台あります。



先週の事です

母『留守番お願いね』

私『らじゃ』

母『それから植木屋さん来るけど、必ず全部の脚立持って帰って貰ってね』

私『いえっさ』

２時間後…

『こんちはぁー』
爺ちゃん到着です

私『ちは』

爺『ささっと手入れしますからね』

…爺ちゃん
その持って来た脚立
やっぱり
新品だな

仕事する度に

脚立を置き忘れ

次の現場に行く途中で

脚立を買う。

脚立て安い物なのでしょうか？


私
心配になって来ますた。


チョキンチョキンと
心地良い音が数時間続きますた

爺『終わりましたぁ』

私『どもどもです』

と庭に視線を移すと


やっぱり

脚立

起きっぱな。


私『あの…』

爺『あぁ…あの木だね。今回は、ほとんど手入れしなかったよ』

私『いや…そうじゃなくて』

爺『あの木、鳥の巣が出来てるよ』

私『…え！本当？』

心
ときめきますたよ
えぇ。

爺『そのうち卵産んで雛が産まれるよ』

私『おぉっ！じーざす！』
鳥さんの為に木を切らないとは爺ちゃんグッジョブです

爺『嬢ちゃん、巣見たい？』

私『見たいっ！』

爺『脚立置いて帰るから、後で登って見てみな』

あ…あ…そ…それは…

爺『いいって事よ！また来た時に帰して貰えばいいからさ！』

私『きゃ…脚立は…』

爺ちゃん
さっと手を振り
颯爽と帰って行きますた。



……脚立て
登ると
案外
高いんですね


鳥さんの巣を観察するのは持ってこいだし

こうやって高い所から眺める庭も一味違います



ほら！

こうやって手を伸ばせば

あの青空だって

掴めそう！


脚立って素敵だね！

うん！

こんな幸せな気持ちになれるんだから！


だから…

だから！！

１台くらい増えても…



…母が帰って来ますた。

母『紅莉栖、何やってるの？』


脚立

４台体勢

１人に１台。


幸せは昇らないと

解らないものさ…