14件のひとこと日記があります。
2012/03/13 15:22
古き良き時代
1981年天皇賞(秋)、日本競馬史上に残る名勝負が繰り広げられた。カツアール、ゴールドスペンサー、アンバーシャダイ、メジロファントム・・・これら強豪を尻目に4馬身前でマッチレースをする2頭、太陽の帝王モンテプリンスと最強王者ホウヨウボーイ。なぜこのレースを名勝負と呼ぶか。なぜこの時代を良き時代と思うか。それは彼らが日経新春杯から有馬記念に至るまで、全てのレースでその能力を惜しみなく披露し、ガチンコの勝負を見せてくれたから。その前提があって、初めて天皇賞という最高の舞台で最高の一騎打ちを見せてくれたから。近年、競馬の価値そのものが変わり、人々の中の名馬の価値も変わってきた。「叩き台」や「試走」という言葉が一般化し、強い馬は繁殖のためにすぐに引退するようになった。ファンは無敗至上主義となり、馬主は「勝てる」レースを選ぶようになった。それは仕方の無い事かもしれない。だが、なぜ彼らがいまだ名馬と呼ばれるのか、なぜ獲得したG1タイトルの数以上に私の記憶に残っているのか。古き良き時代。あんな競馬をもう一度見たい。