すいません、川崎ってどこですか？

日本屈指のドメスティック関東一都三県野郎の大杉です。

はっきりいって、日本のどこがどこなのか、よく分かっておりません。
元来、自分の必要な道しか覚えず、いくらいい抜け道があるよと教えられても、抜け道の中でまた誰も通らないような道を選択し、かえって遅延、やっぱりいつもの道のほうが早かったよなどと言っては人を困らせている俺です。
喫茶店も馴染みの数件をぐるぐるぐるぐる。
食事も、入ったことない店にはそれ相応の強靭な理由（ご想像にお任せします）がないと行きません。
気が付くと人生の半分くらい通ってるマクドナルドがあったりします。別に馴染みになんかしたくはないのです。心はいつでも七つの海を海賊船で駆け巡ってはいるのですが。
もし「お前はこれから一生日本から出られない」と言われても、あー、そっすか。と答えそうです。いいですよねぇ。日本も広いし。食べ物も美味しいし。

その代わりと言ってはなんですが、学生の時分東京にいた頃、一番分かりやすい電車、中央線に乗って知らない駅で降り、勝手に気の向いた方向へひたすらひたすら歩いては、住宅街に灯かりがともるのを見てなんとも言えない充実感を感じて帰っていたりもしていました。
俺と数日間一緒にいた人はすぐ分かります。「あなた方向感覚ないでしょ」とずばり見抜かれても別段驚きません。事実に驚いてどうすんですか。初めてそこに来た、という人に、何年も歩いている街を案内されたことがあります。一回や二回ではありません。夜になると北と南が分からなくなります。ピース。

迷うのが得意な人間もいていいのではないだろうか？

東京の三鷹市にあるスタジオジブリの美術館のコンセプトは確か「一緒に迷子になろうよ」かなにかだったと思います。とてもいいですね。たどり着く前に迷子になりそうですが。ちなみに「耳をすませば」はもう50回以上観ています。学生の頃、近くに住んでいた親しい友人とばかり一緒にいたのですが（現在も離れはしましたが変わらず）、そいつがやはり「耳をすませば」好き仲間で、行くと必ず、観ていなくてもBGMのようにDVDを流していたからです。還暦になっても観ていると思います。ほとんどの台詞が言えます。ヒロイン雫はあれからどんな恋愛遍歴を辿るか、俺達と聖司君（最後に結ばれる少年です）は何が違うのか、原作漫画との比較など、暇にも程がある日々をすごして来ました。
もう彼女たちは結婚しているでしょうね。1995年で15歳ですから。いや、東京は日本で一番初婚年齢が高かったはず。31か2。まだまだこれからか？

さて、カフカという作家をご存知でしょうか。僕はあの人の作品、言葉が好きです。朝起きたら巨大な虫になってしまった「変身」は有名なので知っておられる方もいると思います。
彼が残した孤独と一握りのユーモア。俺がしっかりと受け継いでいるぞ、と、勝手に自負しています。

そんな彼が残した言葉はとってもステキ。

「私が一番得意なのは、ベッドに横になってじっと何もしないでいることです」

どうでしょうか。なぜ俺はnetkeibaにこのようなことを書いているのでしょうか。なぜバイト先の女の子に「私去年から知ってましたけど、絶対に話しかけられない！とんでもない人がいる！と思ってました」と打ち明けられたりするのでしょうか。人生って不思議なものですね。愛燦燦の歌詞より。

人生の目的は「できるだけ遠回りすること」です。断言してしまいます。

ちょうどここ数年のこと、みうらじゅんという漫画家、タレント（「マイブーム」という言葉を作ったのはこの人です）が、「これからは”徒労”がブームになると思うんですよ」と、たしかNHKの「スタジオパークからこんにちは」で発言していて、ああ、この人は分かっているなと一人深く首肯し小躍りしたくなりました。
「僕は旅に出るのに前もって行き方とか、インターネットで調べたりしません。わざわざ遠回りになっても自分の思いで行く。そこに一番の面白さがある。なぜ日本人はもっと徒労しないのか、僕には不思議で仕方ありません」

これはこれからの人生で大事なことの大きなひとつでしょう。

風邪で汗だく、オーバーを着ながらビールを入れてげほげほ言いながら書いていますが、ここが文章のナイスなところ。言わなきゃわかりゃしないのです。ひっひっひ。書いちゃったけど。

あ、すいません、結論が最後の最後で。

川崎ってどこでしたっけ？海の近く？
マグロで有名なところでしたっけ。違うか。

では俺は私は倒れこむように寝ます。
昼間寝たからそんなにねむくもないっちゃーないんですけどね。