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2012/12/27 17:31

「走れコウタロー」から見る日本のフォークミュージックPART4

もう誰もついてきてはいないでしょう。十馬身はちぎりましたね。
さてURC(アングラ・フォーク・クラブ)の話をしましょうか。
話がディープ過ぎて分からない?まあまあ、ブライアンズタイムな気持ちで読んで頂ければと。

URCの創立は1969年。メジャーでは出せないような過激なメッセージソングを自由に作ろうという目的の元、自身シンガーであり、有能なオーガナイザーでもあった高石ともや(受験生ブルースでよく知られています)の事務所にミュージシャンが集まって作られた会員制(のちに自由になる)の、現代風に言えばインディーズレーベルだった。
メンバーを思い出せるだけ列挙すると、高石ともや、岡林信康(日本のボブ・ディランと呼ばれた。放送禁止歌多数)、高田渡、五つの赤い風船、遠藤賢治(エンケンですよエンケン、「東京ワッショイ」聴いてください)、早川義男(理解されるのが遅すぎた才人「からっぽの世界」で有名)、加川良(曲をなぎらけんいちがカバーしたことでも有名)、三上寛(寺山修司の映画でデビュー。死ぬほど土着性が強い青森県出身のシンガー。今でも高円寺行ったら普通に歌ってますよ。海外で研究されてるという話があるくらいの独創性。日本のラップの元祖と言う人もいる。この歌詞が誰に書ける?)、斉藤哲夫(若き哲学者と呼ばれた歌い手。「悩み多き者よ」はよく弾いている)、友部正人(日本語の使い方の幅広さ)、六文銭、金延幸子(最高!清澄な歌声)、中川五郎、そしてそして、はっぴいえんど!!大瀧詠一、細野晴臣、松本隆、鈴木茂の名前は覚えておけば最高の音楽底なし沼へ一直線。CMなどで「風をあつめて」がカバー含めよく使われるので、聴いたことのある方もいるかもしれません。

ところで俺は中川五郎さんにお会いしたことがあります。
「受験生ブルース(おいでみなさん聞いとくれ〜)」は高石ともやで有名ですが作詞作曲は中川五郎です。ボブ・ディランの「ノース・カントリー・ブルース」という曲を元に作られています。欧米の古いフォークは「Come Gather Round People」つまり「おいでみなさん聞いとくれ〜」で始まる曲が多かった。ディランに「時代は変わる」という名曲の中の名曲、(プロテスト・ソングと呼ばれるがそんなのどうでもいい)があります、歌い出しがやはりこれです。
五年前の五月十一日。しつこく学生をやっていた時分、東京、早稲田に今はもうなくなってしまった「JERRY JEFF」という洒落た喫茶、バーがあったんです。このジェリー・ジェフという店名もアメリカの伝説的カントリー・フォークシンガージェリー・ジェフ・ウォーカーから取られている。「ミスター・ボー・ジャングル」はどれだけカバーされたか分からない名曲。聴くと泣けます。

アメリカからの留学生ジョンと後輩を連れて、駅前で軽く飲もうかなんて、飲めないのに高田馬場までの道をてくてく歩いていると、早稲田通りっていうのかなあれは、沿道に味わいのあるアメリカの山小屋のような店があり、以前勇気を出して(ちょっと大人っぽい店だったので)入ってみたら、中ではエディ・コクランロカビリーと言えばこの人。超クール。エルビスももちろん最高)が掛かってノリノリ、カウンターの裏には50〜70年代の名盤CD、LPがギッシリ。愛読雑誌レコード・コレクターズがずらりと並んでいる夢のような店。
その店の前をその晩通りかかったら、なんと中川五郎さんがその小さな店でイベントをやっている!僕はネットなどで情報を収集してイベントに出かけるようなタイプではなかったので、驚きすぎてドアの前で叫んでしまった。「あっ!中川五郎がいる!!」連れの二人は、何がそんなにすごいことなのかさっぱり分からないといった表情できょとんとしている。
俺はもう発狂状態で自分を失くす寸前!

この人は、ボブ・ディランのアルバムの日本語訳をされているのです。(片桐ユズルさんもされていますが)そしてその周辺の有名アーティストの訳詞も。アメリカの誇るパンク作家チャールズ・ブコウスキーの翻訳も。俺はこれらを読んで読んで育ってきたんです。その人が目の前に!!ああもうクラクラする!

店の前で一人騒いでいたらなんとご本人が手招きして呼んでくださっている!
連れに謝り一も二もなく店内へ。イベントは、中川さんが選んだ最新の洋楽を聴きながら話をしていくというもので、もう終わりかけていた俺は末席に座り、イベントはほどなく終了した。セットリストをもらって眺めると、こ、これはすごい、当時最新の、まだ名前を知られて間もないが良いセンスを持ったアーティストの名前がずらりと。
すぐそばの席でビールを傾けている中川さんに、マスターに一言断ってから勇気を出して話をしに行った。

(PART5へと続きます)

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