296件のひとこと日記があります。
2012/12/29 23:22
文章といふもの
常識を知り尽くしてから、あっさり常識を捨てましょう。
いいものが、つくれますよ。
「己を知ろうと必死になっている毛虫は、一生蝶になることはできないだろう」
と言ったのは誰でしたっけ。自我が死んだとき、本当の自分が始まります。
文章ですか。最近、非常に日記を読んで感動をしてくれた、という方からメッセージをいただきまして、えらく感激しています。何、というあても特になく、ほかに何ができるんだろうなぁ、スーパーのレジのおばちゃんは超人だなぁ、などと考えながら、無念無想で気がつけば、毎日何かかんか書いてます。好きなんですね。「かもめのジョナサン」という有名な物語を書いた、リチャード・バックという人がいて、こんなことを言っています。
「プロの作家とは、書くことをやめなかったアマチュアのことである」
みんな最初アマチュアです。猪木は初めからプロレスラーでしたか?あの人は少年期ブラジルに渡り、大変な苦労をして農場を開拓し、地力をつけていったと聞きます。美空ひばりは生まれた瞬間七歩歩いて「愛燦々」を熱唱しましたか?ドストエフスキーは最初の作文から「罪と罰」が書けたでしょうか?
たまに、「本をたくさん読めばいい文章が書ける」と信じてやまない人がいますが、あんまり関係ありません。三島由紀夫の「文章読本」を20ページくらい読めば書いてあります。読書してんじゃねーか、とここで突っ込みをいただきたいのです。三島由紀夫を20ページも読んだあなたは堂々と人に「読書家です」「趣味は読書」と豪語しましょう。
知識、教養を得るとは、自分が本来持っているものを発見することにほかなりません。「人間はゼロから始まっている」、という考えを綺麗に忘れませんか。その意味で、読書や経験、体験というものも、一概に否定はできませんが、しかしだけれどもしかるに、「創造」という行為は単なる知識や教養の範疇を軽々と凌駕します。100冊読んでも何も書けない、書かない人もいれば、一冊も読まずに大著をものす人もいます。大体ですね、「知ること」と「考えること」は仲が悪いのです。競馬の格言に面白いものがありました。
「競馬は、詳しくなればなるほど下手になる」
なるほど、と思います。知識は大切です。ですが知識のみでは、「運」を動かすことはできないのではないかと思います。
「難しい本」をたくさん読む。大いに結構!素晴らしいことだと思います。と同時に、「実話ナックルズ」「マッドマックス」「週刊実話」「裏モノジャパン」の愛読者はつまんねえくだらねえことしか考えず、言わないのかといえば、そんなことは全くさらさらないわけで、そこに表現というものの面白さと深さがあります。
面白いものは面白いし、つまらないものはどうにもつまらない。ただそれだけのことで、そのバックボーンに何があったかなんてことは、一部の好事家が調べたりするくらいのものです。
知識が無いから、経験が無いから、というのは、たとえば文章において、面白いかどうかを決める指標には、まったくなりません。
本を読むことや経験する、体験することに意義を見出すとすれば、「その本や体験を通じて自分が感じた心のあの盛り上がり、勢い」これを深く心に刻むことです。いつでもその気持ち(知識自体ではなく)を再現できるようになったら、世の中は表現することであふれ返っていることに気がつきます。誰でもできることです。簡単です。なんていうか、愛ですよ!
では、自信を持って、ひとこと日記を書きまくりましょう。
今朝父親に叩き起こされまして、ノンストップ四時間雪かきしたあと少し寝て、そのあとビールで訳が分からなくなっていても書けるんです。ゆっくりでいいんです。みなさん、自信を持っていきましょう。自分に言っているんですけどね実は。
具体的な方法論としては、気に入った、面白いと思った人の文章をとにかく真似、コピーしまくる、ということが結構有効です。そのまま書き写してもいいと思います。音楽でも、絵画でも、まず初めは名作のコピーからです。大瀧詠一という、日本語ロックの基礎をつくったと言われているバンド「はっぴいえんど」の中心メンバーがいます。この人こそ当時入手困難だった海外のレコードを聴きあさり、FEN(外国のラジオ放送局)で最新の音楽を聴いては独自にチャートをノートに書きつけ、コード進行、歌唱法、歌のもつ意味など、どうなってんだこの人は、というくらい一途に研究、愛聴して、とにかくコピーをしまくった偉大なミュージシャンなのです。彼は、インタビューに答えてこんな発言をしています。
「コピーしようと努力して、どうしてもコピーできなかった部分。それを人はオリジナリティと呼ぶ」
文章について、おおまかですがこんな風に考えています。
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カスパロフさん
こんばんは
うんうん、と共感できます。
私の文章は小学生ぐらいだと思っています(これは本気です)
その文章力を向上させるために、本を読んだり、文章を書いたりしています。
何事も勉強、努力がいりますね。 -
カピバラさんがいいね!と言っています。
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エアウメシュさんがいいね!と言っています。
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大杉馬連さん
はるるんさん、そうなんですよ!
めちゃくちゃ面白い人は、市井にいますもん。
俺はたまたま書いてるだけなんじゃないかと思うときがありますね。
自分の日記も八割嘘、二割でたらめなのにみんな信じちゃって(笑)。
本当に、飲み屋とか、現場とか、脳みそひっくり返りそうなほど面白い話転がってます。生きるのってやめらんないですよ。 -
はるるんさん
頭でっかちにはなりたくないですよね。作家さんが全て経験した話を書いてるわけではないですし、飲み屋での嘘か本当か分からん話の方が百倍面白かったり(笑)
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大杉馬連さん
書き足した。2000字では足りないぞおお!
本を読めば読むほどいい作品ができるのなら、一番いい文章を書くのは、できるだけ長生きして古今東西の書物を渉猟した人、ということになりませんか?実際のところ。でも現実にはどうでしょうか。