風友 (かぜとも)?

森では 色んな話し声が聞こえて来ます。
今日も楽しそうに ザワザワと…。
おや? 小鳥さんと 木さんが 何かを話しています。 ちょっと聞いて見ましょう。
「ねぇ 木さん、木さんは ずっと ここに居るけど 何か やりたい事はないの?」 小鳥さんは聞きました。
木さんは答えました。
「わしには やりたい事はないよ、動けないし、
その分 皆が楽しんでくれたら 嬉しいかな」

「ふ?ん そうなんだ、何だか つまらないね」と小鳥さん。

木さんは 言いました。
「皆が元気に 飛び回り、あちこちで笑ってくれたら、それが一番の栄養になるんだよ」

「そっか、じゃあ
相手の幸せを願う事は通じるの?」 小鳥さんは聞きました。

木さんは こう答えました。 「幸せを願うと きっと相手の回りに お願いリング が巻かれて 不幸な事からブロックされるんだよ」
「そっか じゃあ いっぱい願うよ! そしたら いっぱいの お願いリングが 巻かれるね」小鳥さんは嬉しくなりました。

木さんは続けました。
「幸せを願えば 願った自分の指にも 小さな 幸せリング が巻かれるんだよ、そのリングは いつか自分を助けてくれるから」

小鳥さんは 嬉しそうに 飛び立ちました。

森の皆に 幸せに なってほしくて…
いっぱい、いっぱい お願いして回りました…

その声は 風に乗り…
今日も 森から 聞こえて来ます…。

小鳥さんの足の指には リングが光っていました…。