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2013/05/05 17:37

(^_^)/ユトリナ?( 耳なし…?) ?(^_^)

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『耳なし芳一』 ?


しかし 昨日と同じように びわを弾いて寺に戻って来た所を 和尚さんに見つかってしまいました。

「芳一 今頃まで どこで何をしていたんだね?」

「……」

和尚さんが いくらたずねても芳一は 約束を守って 一言も話しませんでした。

和尚さんは芳一が何も言わないのは 何か深い訳があるに違いないと思いました。

そこで寺男達に芳一が出掛けるような事があったら そっと後をつけるように 言っておいたのです。

そして また夜になりました。
雨が激しく降っています。
それでも 芳一は寺を出ていきます。

寺男たちは そっと芳一の後を追いかけました。

ところが 目が見えないはずの芳一の足は意外に早く 闇夜に かき消されるように姿が見えなくなってしまったのです。

「どこへ行ったんだ?」

と あちこち探し回った 寺男たちは 墓地へ やって来ました。

ピカッ!

稲光で 雨に濡れた墓石が 浮かび上がります。

「あ! あそこに!」

寺男たちは驚きのあまり立ちすくみました。

雨で ずぶ濡れになった芳一が 安徳天皇の墓の前で びわを 弾いているのです。

その芳一の回りを 無数の鬼火が取り囲んでいます。

寺男たちは 芳一が亡霊に取り憑かれているに違いないと 力任せに寺に連れ戻しました。

その出来事を聞いた和尚さんは 芳一を亡霊から守るために 魔除けの まじないをする事にしました。

その魔除けとは 芳一の体じゅうに経文を書きつけるのです。

「芳一 お前の人並み外れた芸が亡霊を呼ぶ事になってしまったようじゃ、
無念の涙をのんで 海に沈んで行った 平家一族のな。
良く聞け、今夜は誰かが呼びに来ても 決して口をきいてはならんぞ。
亡霊にしたがった者は命を取られる。
しっかり座禅を組んで 身じろぎ ひとつせぬ事じゃ。
もし 返事をしたり 声を出せば お前は今度こそ 殺されてしまうじゃろう。
わかったな 」

和尚さんは そう言って 村の お通夜に出掛けてしまいました。

芳一が座禅をしていると いつものように亡霊の声が 呼び掛けます。

「芳一 芳一 迎えにまいったぞ」

でも 芳一の声も姿も ありませんでした。

亡霊は 寺の中へ 入って来ました。

「ふむ… びわはあるが 弾き手は おらんな」

辺りを見回した亡霊は 宙に浮いている 2つの 耳を見つけました。

「なるほど 和尚の仕業だな。 さすがの わしでも これでは手が出せぬ。
仕方ない せめて この耳を持ち帰って 芳一を呼びに行った証しとせねばなるまい」

亡霊は 芳一の耳に 手をかけると

バリッ!

その耳を もぎ取って 帰って行きました。

その間 芳一は ジッと座禅を組んだままでした。

寺に戻った和尚さんは 芳一の様子を見ようと 大急ぎで芳一のいる 座敷へ かけ込みました。

「芳一 無事だったか!」

ジッと座敷を組んだままの芳一でしたが その両の耳はなく 耳のあった所からは血が流れています。

「お…お前 その耳は…」

和尚さんは 全ての事が わかりました。

「そうであったか、 耳に経文を書き忘れたとは気が付かなかった。
なんと可哀想な事を したものよ。
よしよし 良い医者を頼んで すぐに傷の手当てをしてもらうとしよう」

芳一は 両耳を取られてしまいましたが それからは もう 亡霊に 付きまとわれる事もなく 医者の手当ての お陰で 傷も治っていきました。

やがて この話しは 口から口へと伝わり

芳一の びわは ますます評判になっていきました。

びわ法師の芳一は いつしか

「耳なし芳一」

と呼ばれるようになり その名を 知らない人は いないほど
有名に なったということです



? おしまい ?


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  • まさたんさん

    まっちさん

    こんにちは

    実写も見てるんですか 自分は見た事ないんですが かなり怖そうですね

    昔話は 色々なメッセージが 隠されてると思いますから 面白くもあり 悲しくもありですね

    2日に渡り 長い話しを読んでいただき

    ありがとうございます

    2013/05/06 15:49 ブロック

  • まっち!さん

    まさたんさん
    こんにちは

    このお話は実写でも
    見てるから…
    特に怖いんだけど…
    この絵が可愛い感じで
    良かった
    やっぱり昔話は
    色んな意味合いを
    持ってて面白いよね

    また次楽しみにしてます

    2013/05/06 15:27 ブロック

  • まさたんさん

    バビル二世さん

    おはようございます

    長文になり 読む方も大変だったと思います

    改めて読んでみると 思い出したりして 昔話って 良いな〜と感じます

    また 機会がありましたら 違う話を

    書き忘れって 和尚は えらい酷い事をしましたよ

    2日間 長い話しを読んでいただき

    ありがとうございます

    2013/05/06 09:42 ブロック

  • まさたんさん

    河豚さん

    おはようございます

    本物の人間の方でしたか
    黒い着物で 祭りって 目を引きますから どんな役の方かと思ってました

    詳しく説明をしていただき ありがとうございます

    勉強になりました

    ありがとうございます

    2013/05/06 09:39 ブロック

  • まさたんさん

    チャコちゃん

    おはようございます

    悪い人だと思ってたんだね 悪霊を 操る見たいな感じに

    芳一は 目が見えなかった 代わりに 魂とかを込めた びわを弾けたりしたんじゃないかなと

    電気 つけて寝ないと 怖いからね

    長い話しを読んでいただき
    ありがとうございます

    2013/05/06 09:36 ブロック

  • バビル二世さん

    楽しく読ませて貰いました
    お疲れ様です

    耳に書き忘れたのは残念ですね

    2013/05/06 02:42 ブロック

  • 河豚さん

    あちらへのコメありがとうございます

    ただ花魁は人形でなく本物の人間ですよ今年は高二の娘が演じました黒の着物の方々は介添人です


    新聞からの転写なので写り悪くてごめんなさいm(__)m

    2013/05/06 00:17 ブロック

  • チャコちゃんさん

    まさたん
    こんばんは

    まさたんの日記読むまでは
    『耳なし芳一』って
    悪者だとばかり思ってました‥
    逆に邪悪な霊を引き付ける
    強い何かを持ってる方なんだと‥
    今日は怖くはなかったですよ♪
    (=^▽^=)ノさぁ〜て‥と
    部屋の電気つけて
    寝ようっと(((ヽ(;^^)/□

    2013/05/05 23:58 ブロック

  • まさたんさん

    ふ〜★ち〜んさん

    こんばんは

    詳しいですね
    清盛は びわを弾いてもらい 気持ちを落ち着けたりだったんですね

    それで 芳一の びわにも 魂を鎮めてもらおうと やって来たのかもですね

    勉強になりました

    自分は 源氏と平家 どちらともですかね

    長い話し読んでいただき

    ありがとうございます

    2013/05/05 23:19 ブロック

  • ふ〜★ち〜んさん

    お疲れ様でしたm(_ _)m

    子供の頃に読んで恐ろしいのと悲しいでそれこそトイレに行けなくなりました

    何故平家の亡霊が芳一のびわに惹かれたのか?
    びわと清盛には重要な繋がりがあるんですよ
    清盛の最初の妻はびわがとても上手でいつも清盛に聞かせていた
    妻を流行り病で亡くしたあとその妻と共にびわを習っていた時子を妻に
    気持ちが沈んだ時に清盛に両妻はびわを弾いていた

    そんな背景でこの物語が生まれたのでしょうかね?


    因みに私は源氏が好きです

    2013/05/05 22:53 ブロック

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