(^^)／ユトリナ?(子守唄?)?(^^)

★ 島原の子守歌 ( 島原地方俗謡 ) ★


おどみゃ島原の

おどみゃ島原の

なしの木 育ちよ

何の なしやら

何の なしやら

色気なしばよ ショーカイナ

はよ寝ろ 泣かんで オロロンバイ

鬼の池ん 久助どんの連れんこらるるばい




帰りにゃ 寄っちょくれんか

帰りにゃ 寄っちょくれんか

あばら家 じゃけんど唐芋飯や

粟ん飯 唐芋飯や

粟ん飯 唐芋飯や

黄金飯ばょ ショーカイナ

嫁ごん 紅な誰がくれた

唇つけたなら 暖かろ





あん人たちゃ 二つも

あん人たちゃ 二つも

金の指輪 はめとらす

金は どこん金

金は どこん金

唐金げなばい ショーカイナ

オロロン オロロン オロロンバイ

オロロン オロロン オロロンバイ





山ん中は かん火事げなばい

山ん中は かん火事げなばい

サイパン船は よろん人

姉しゃんな にぎん飯で

姉しゃんな にぎん飯で

船ん底ばよ ショーカイナ

オロロン オロロン オロロンバイ

オロロン オロロン オロロンバイ





姉しゃんな 何処行たろかい

姉しゃんな 何処行たろかい

青煙突の バッタンフール

唐は 何処ん在所

唐は 何処ん在所

海の涯ばよ ショーカイナ

泣くもんな蟹 (がね) かむ オロロンバイ

あめ型 買うて 引っ張らしょ




沖の不知火

沖の不知火

消えては 燃える

バテレン祭りの

バテレン祭りの

笛や太鼓も 鳴りやんだ

はよ寝ろ 泣かんで オロロンバイ

鬼池の久助どんの連れこらるるばい




☆ ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


● 鬼池の久助どんの連れこらるるばい●

言うことを聞かない子は 鬼池の久助さんが連れに来るぞ と言う意味

「 鬼池の久助 」とは 女衒 ( ぜげん )である
女衒とは 人身売買を 生業とらする者の事

主に貧しい農村から 少女達を買い取って 遊郭に売り渡していた

需要に応じて 男児も売ることも

鬼池の久助は 実在の人物は 居ないが モデルになった人物は いるらしい



● あん人たちゃ 二つも金の指輪はめとらす ●

あの人達は 二つも金の指輪を はめてる という意味

貧しい農村なら本来 金の指輪など持てるはすがない
つまり この指輪の意味は 子供を売った代償である

それを知る村人は 「 金は どこん金 ( あの金は どうして手に入れた金なのか？) 」と 噂している

なお 財産で 金を蓄えるのは 昔は 身分が安定しない者達の常套手段だったそうです



● 山ん中は かん火事げなばい ●

山の中が火事だと言う意味

島原地方は しばし密貿易が行われた
表向きは御法度である
なので 密貿易が 行われる日は 決まって島に火事が起きた

それは 密輸商が 島民の注意をそらすために 仕組んだと言われる

こおした密貿易船では 船員の駄賃代わりに しばし児童の誘拐が行われた

密貿易船に積み込まれた物資の中には にぎりめし１つで だまされ 買い取られた島の少女達も少なくなかったと


● 青煙煙突のバッタンフール ●


青煙突のバッタンフールは 香港の船会社 バター・フィルのことと 言われいる

ここでは 特定の船会社を指すわけでなく 海外貿易を行う貨物船全般を指す

北九州 炭坑から 積み出された石炭は アジア各地に輸出された

そうした貨物船には 石炭ばかりでなく 様々な物資や人間も 運んでいた

その中には 売買された 「 からゆきさん 」達もいた
逃亡防止の意図から 劣悪な船底に押し込められた少女達は 中国大陸、東南アジア、インド、ロシアまで 売られていった




● バテレン祭 ●


バテレン祭が 実在するかは不明ですが 島原地方が 隠れキリシタンの里 である事は 良く知られてます

それ故に この地方の人は 明治になっても 官憲の厳しい監視の下にあり

出入りは 宮崎のみに制限さらていたそうです



m(__)m