★むースポ特別号 凱旋門賞★

◆◆WCS決勝! 31S 凱旋門賞◆◆


明日は世界一を決める一戦､WCS決勝の凱旋門賞が仏国ﾛﾝｼｬﾝ競馬場で行われる｡各国の代表馬が揃った予選を勝ち抜いて来た猛者8頭が決戦の舞台に集結､残念ながら我がｱｸｱﾏﾘﾝW代表の姿は無いが､世界最高峰のﾚｰｽは最大の注目を浴びている事だろう

ここまで駒を進めたのは抜けた力を持った優駿ばかりであり､予想もかなり難解な一戦ではあるが､本誌はｱﾒｼﾞｽﾄW代表の女傑､ハークィパス(牝6 ぐらころ厩舎)に注目した｡


現在世界ﾗﾝｷﾝｸﾞ2位の評価であり(9/4現在)地元ｱﾒｼﾞｽﾄWではGI三勝を含む重賞6勝｡前走のﾌｫｱ賞で海外初勝利をあげ､6歳牝馬ながらここに来てさらに進化し続けている｡抜群のﾚｰｽｾﾝｽとﾊﾟﾜﾌﾙさを兼ね備えた走りはこの舞台には最適とも思わせる｡ﾌｫｱ賞でも直線馬なりで抜け出し残り200で一旦は交わされたものの､再度二の脚を繰り出し華麗に差し切って見せた｡並の馬では出来ない芸当であり､明日のﾚｰｽでも頂点を極めるだけの力はあると判断出来るだろう｡





ﾄﾚｰﾄﾞﾏｰｸの南瓜のﾒﾝｺからどうしてもひょうきんな印象を受けてしまいがちだが､今のこの大躍進までには様々な紆余曲折があった｡27ｼｰｽﾞﾝ7月に札幌で華々しくﾃﾞﾋﾞｭｰ｡期待通りに初戦を勝利したが血統からもｼﾞｯｸﾘと育成された､その甲斐あってか着実に力を付け条件戦を突破､しかしOP入りしたのはﾃﾞﾋﾞｭｰから3ｼｰｽﾞﾝ後の6月､既に5歳を迎えていた｡初OP戦となったﾏｰﾒｲﾄﾞSで2着に入り､OPでの目処をたてたつもりだったが､陣営の期待とは裏腹にそこからは苦難の連続､秋のエ女王杯を目標にしたが､それまでのどのﾚｰｽでも掲示板がやっと､目標のエ女王杯で6着と好走はしたが勝ち馬との差は歴然だった｡陣営はその後路線をﾀﾞｰﾄに変更､これが良かったのか2連勝し新たな一面を見せた｡夏の疲れがあったのかもしれないがここからﾊｰｸｨﾊﾟｽは走る前向きさを徐々に取り戻していった｡調教でも真面目に走る様になり体調も安定､ただ明けて6歳の牝馬でもあり陣営もそこまで大きな期待は出来なかっただろう｡しかしその予感は大きく外れる事となる｡ﾒﾝﾊﾞｰ的に軽いと見た日経賞ではあったが牡馬や重賞馬多数となかなかの好ﾒﾝﾊﾞｰのﾚｰｽ､ここで強気に先行したﾊｰｸｨﾊﾟｽはそのまま後続を振り切り完勝してみせた｡続くﾚｰｽもG2の阪神牝馬Sを選択､ここでも積極的に行き後続を完封し大楽勝の結果｡6歳にして本格化の兆しを感じさせる内容だった｡そして続く天皇賞(春)ではBCﾀｰﾌ勝ち馬のﾃｨｰｽﾞｶﾞｲﾔｰﾙの猛追を退けついに戴冠､三連勝で一気にGI制覇を達成した｡その後は成績通り､安田記念こそｽﾍﾟｼｬﾘｽﾄの脚に屈してしまったものの､既に世界が認める女傑へと登り詰めている


これまでの努力がようやく実り､そして大輪の花を咲かせた｡ｱﾒｼﾞｽﾄの女傑から世界の女王へ､明日この馬の集大成が最高峰のﾚｰｽで存分に発揮される事となる