競輪
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2023/07/21 23:13
１０５回目の夏の物語��
ダルビッシュ二世
東北高校に久々に現れた大器を、皆がそう呼んだ。
宮城県の高校野球関係者から相当な期待をされた超高校級投手が、東北に優勝旗をもたらしてくれる期待に沸いた。
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ハッブス大起ゎ、それほどの逸材だった。
しかし、２年生になっても東北の真のエースにゎなれず、投げてみなければその試合で抑えられるかも分からない丁半投手。コントロールに難があった。
そのハッブス大起に、転機が訪れる。
去年の８月に就任した佐藤洋監督ゎ、エンジョイベースボールを掲げ選手の自主性に任せる指導法で、ハッブスの求めている野球に合っていた。
周囲の期待とゎ裏腹に、先にライバル仙台育英が全国制覇を成し遂げた夏の甲子園。
ハッブスが王者の前に君臨したのゎ、新３年生として出場した秋季宮城県大会。決勝戦で、仙台育英を２ー１で下して優勝した時である。
そして、選抜出場から最後の夏の大会へ。
１年生の時から課題だったコントロールに安定感が得られない。
それゎ最後の夏まで体得出来なかった。
７月２０日、宮城大会準々決勝。
対仙台育英戦。０ー１の八回２死満塁の場面で、仙台育英の齋藤敏への３球目の内角直球が甘く入った。
「あんな打球を打てる高校生ゎいない」。
仙台育英の須江監督が評した打球ゎ、耳をつんざく金属音を残して、まさに弾丸の如く右翼席に突き刺さった。
それまでスライダーで３打席を抑えて来た齋藤敏に、バッテリーが最後に選んだのゎストレート。
「捕手の日隈ゎ自分の真っ直ぐを信じてサインを出してくれた。インコースの厳しいところに投げきれない自分が悪かった」。
東北０ー５仙台育英
事実上の決勝戦と言われた試合で、仙台育英の前に屈す。
「負けたことを信じたくない」。
ハッブスの目から大粒の涙がこぼれた。
「悔やんでも悔やみきれない夏になった」。
大起ゎ未完のまま次のステージへ。
(おしまい)
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