競輪
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2024/07/16 23:08
１０６回目の夏の物語��
0―2。仙台育英が2点をリード。
9回表、東北の攻撃がどたんばを迎えていた。あと1アウトまで追い詰められたが、仙台育英のエース山口投手から2死一二塁のチャンスを奪いマウンドから引き摺り降ろした。続く2番手の佐々木投手から四球を選び、2死満塁と好機を広げたのだ。
仙台育英対東北。宮城の高校野球を長年リードし続けてきたライバルチームの対戦。
昨秋、東北ゎ仙台育英に2度敗れ、春ゎ戦いの場にすら立てなかった。
かつて黄金カードと言われた両雄だったが、最近ゎ完全に仙台育英に敵わず、東北のブランドも落ちかけていた。
だからこそ、この夏「何がなんでも勝つ」と、古豪復活に燃えていた。
一打同点、長打が出れば逆転の場面でバッターゎ布川碧選手。
4球目に弾き返した打球がライナーとなって、センター前に抜けていく！！
「やったー！」
同点だ！！と思った瞬間、その痛烈な打球を仙台育英の遊撃手、登藤選手がダイビングキャッチした。
この大事な場面で、仙台育英に超ファインプレーが出て試合終了。
スタジアムに戦いの終わりのサイレンが鳴り響く中で、両校を讃える観客の拍手が止まらなかった。
最後の整列で、東北の主戦・進藤が仙台育英の選手らに思いを託す。
「甲子園で優勝して宮城のレベルの高さを示してほしい」。
ネクストバッターズサークルで最後の瞬間を迎えた東北の畠山主将。仙台育英の校歌を聞きながら涙を流した。
「最後になって、お世話になった人たちに恩返しがしたかった。育英、強かったです。みんな頑張ってくれました。最後の試合が一番楽しかったです」。
夏の午後。スタジアムの三塁側外周に集まった父兄たちの前で、泣き腫らした目の選手たち。
それでも、ラストミーティングゎ感謝で終えた。
(おしまい)
- イバル
- ダイビングキャッチ
- ファインプレー
- ネクスト
