競輪
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2025/07/25 23:30
１０７回目の夏の物語��
「大変、悔しい負け方をして大袈裟ではなくてあの日を忘れたことはないです。」
仙台育英・須江監督が言ったのは、１年前の７月２３日のことだ。
令和６年７月２３日
夏の全国高校野球宮城大会決勝戦。絶対王者だった仙台育英が、聖和学園に敗れた。
あの日から１年。
仙台一高との準決勝、５番だった土屋璃空は３番に上げられた。昨年、２年だった土屋は背番号「７」を付けてスタメン出場をしていた。敗れて涙を流す先輩たちの姿が忘れられない。最後のバッターが土屋だったのだ。
その日以来、７月２３日は「野球をやる上で一番大切な日」になった。
宮城の高校野球の常識を覆したその試合は、何度も何度も映像で流れた。
「とにかく悔しくて」
先輩たちからは「来年はお前が引っ張って行け」と託された。
「土屋は状態が一番良かったので(打順を)上げました。期待に応えてくれて１２０点です」。
須江監督の起用が当たって、この日の初回一死二塁でライトへ場外ホームランをたたき込んだ。一塁を回って、思わず右手を挙げて人さし指を突き上げる。先制点は、仙台育英の勝利の狼煙だ。
「挽回したい。やり返したいという気持ちが強すぎて、特にバッティングがナイーブになってまして」
土屋の先制２ランが、監督の言葉を覆すべく眠れる獅子を起こした。相手をじわじわ追い込みながら、最後は田山の３ランで勝負あり。必死に食い下がる仙台一高を、最後は力でねじ伏せた。
甲子園まであと一つ。
決勝戦は、あの日と同じ楽天モバイルパーク。
ここに来るたび、あの光景がよみがえってしまう。悔しさを歓喜に塗り替えるべく、２８日の決戦に向かう。
「昨年の借りを返すためにも、自分が甲子園を決める」。
令和７年７月２８日、運命の決勝戦が迫る。
(24日、第107回全国高校野球選手権宮城大会準決勝 仙台育英8―1仙台一高）
