【酔いどれギャンブラー】─後編─

【酔いどれギャンブラー】

─後編─

「大将、そんなに笑うことねぇだろうよ」少々顔がゆがみだした善蔵に、大将が腹を押さえながら話す。「コッソリ盗み聞きしてた俺も悪いがよ、誰だと期待してたらよりによって由紀さおりだなんて…、もう過去の人だろ？」と笑いの止まらぬ大将。一回り年下のけんぼーは、未だにポカンとした顔のままである。「なんでぇ、大将知らねぇのかよ。去年の暮れから今年は由紀さおりの♪夜明けのスキャットと言えば、全世界で大ブームなんだぜ。大将も知ってるだろ、今年の暮れNHK紅白にも20年ぶりの出場が決まってるのを。」「おぉ、そう言えばそうだったな、確かあれだろ？♪ルールルールー…」
「あっ！」大将とけんぼーが同時に発声した。「それ知ってます！あの人が由紀さおりですか、確かに全世界で大ブームでした。」けんぼーのそれとは違い大将は絶句したままだ。「大将は気づいたようだな」さっきまで顔がゆがんでた善蔵が、また誇らしげに話始めだした。「今年の有馬のサイン馬券はその♪ルールルールーよ！」既に競馬の覧は読みつくしてしわくちゃになったスポーツ新聞を広げ出し、善蔵はまくしたてた。「いいか、お二人さんよ、面玉ほじくってよく見てみないや？」と有馬記念の出走登録馬を指差し始めた「♪ルールルールーだろ？ルーラーシップ、ルルーシュ、オーシャンブルーで♪ルールルールー、三連複一点勝負で答えは出てるのよ」今度はけんぼーのみならず大将までもが、呆気にとられている。しかし二人の思いは『この人すげー、これはくるんじゃないか？』であった。二人の顔色を見て気を良くした善蔵の解説は更に続く、「因みに20年前の1992年の有馬記念を調べるとこれがまた大荒れなのよ。一着から人気薄の２枠３枠１枠決着。３枠と１枠の赤白も絡
んで紅白馬券だったのよ。今年の有馬も荒れるぜ！世間で人気しようが、ゴールドシップやエイシンフラッシュなんて一銭にもなりゃしねぇぜ！」
「由紀さおり、夜明けのスキャット、20年ぶりの紅白、♪ルールルールーで間違いねぇだろ？！」さも自信満々の善蔵であった。
この後、三人は夜明けのスキャット♪ルールルールーを口ずさみながら、朝まで飲み明かしたのは言うまでもない。
果たして今年の有馬記念、どうなりますか…。オウケンブルースリーのルーが来ないことを祈る。

最後迄、ご愛読ありがとうございました。m(__)m

良く出来ましたでしょ？

……だそうですよ(^^;;

今日から小説家になるっていうから、それはやめといたら？(^◇^;)
って忠告しときました(^_^;)


とりあえず、続編の依頼はしといたんで…www